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ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA 
[2014.12.10]

スピーディな力強い躍動感、強い精神性、観客も元気が出るバットシェバ舞踊団公演 

Batsheva Dance Company バットシェバ舞踊団
“ Sadeh 21 ” by Ohad Naharin 『サデ21』オハッド・ナハリン:振付

11月12日から15日まで、BAMにて、バットシェバ舞踊団の『サデ21』の公演がありました。周知のようにイスラエルのカンパニーで、1990年からオハッド・ナハリンが芸術監督と振付家として率いてきました。

ny1412b01.jpg バットシェバ舞踊団「サデ21」
Photo (C) Stephanie Berger

2011年初演のこの作品は、途中休憩なしで1時間15分のノンストップです。出演ダンサーは男女18名で、日本人ダンサーの中村エリもいました。様々な国出身のダンサーがおり、国際色豊かなカンパニーです。
衣装は全員肉体の動きがはっきり見えるようなレオタードやタイツで、筋骨隆々な肉体の躍動感の迫力がありました。スタイルが良いダンサーばかりでした。無駄がそぎ落とされたシンプルな舞台セットで、音楽は、マキシム・ワラットのサウンドトラックです。
ダンサーたちの肉体は鍛錬されていて無駄がありません。バットシェバ舞踊団の作品、振付はダイナミックで、全体的に生命力があふれた力強いもので、観に行くと元気がでます。躍動感、スピード感、力強さ、強い精神、負けない強さが表れているような印象で、なるほど、乾いた大地で紛争の多いイスラエルから生まれてくるカンパニーだな、と感じます。繊細さと正反対の、とても強いエネルギーを放っている作品です。
舞台後方のスクリーンに、「Sadeh 1」のように文字が映し出され、ダンサーたちが踊っていきます。「Sadeh 2」、「Sadeh 3」・・・と進んでいき、「Sadeh21」まで続きました。

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ダンサーは、ソロ、2人、3人や、数名、群舞、12名でなどで、それぞれの振付を次々に重ねて、連なり続けていきました。速い展開で、次々に流れるようにダンスが入れ替わり立ち代り、続きました。音楽とともに、踊りもリズムがランダムで一定ではないところが多かったです。中近東の音楽のようなものも使っていました。イスラエルは、ニューヨークでもエキゾチックなイメージです。
ヨガを連想させるような動きもありました。日本の舞踏のような、痙攣しているような振付のところもありました。コンテンポラリーに、ヨガや舞踏もエッセンスとして影響を受けて取り入れている様子です。
男女のパ・ド・ドゥもたくさんありました。舞台上にたくさんダンサーたちがでていて、同時に別の振付を踊り、バラバラなシーンと踊りが一緒に進んで重ねられていくところも多かったです。めまぐるしくシーンが変わり続け、ハイテンションの緊張感を保ったままで、観客を飽きさせません。途中、男性が甲高い裏声でしゃべり続け、後ろでダンサーたちが踊っていたシーンでは、客席は大笑いしていました。最後は、舞台後方に作られた壁のようなものの上にダンサーたちが次々に、壁の後ろからよじ登って立ち上がり、壁の後ろへパタッと倒れて下に落ちていきました。また、次々に順番に後ろからよじ登っては、パタッと後ろへ倒れ落ちたり、後ろへ飛び降りたり、飛び込んだりしていきました。それが続いて終わりました。すごい拍手でした。
2014年11月15日夜、BAM)

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バットシェバ舞踊団「サデ21」Photos (C) Stephanie Berger(すべて)