ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA 
[2014.06.10]

楽しく美しく、愉快だった、ニューヨーク・シティ・バレエのオール・ロビンズ・プロ

New York City Ballet “ All Robibns ” ニューヨーク・シティ・バレエ「オール・ロビンズ」
Glass Pieces, Opus 19/The Dreamer, The Concert. by Jerome Robbins
『グラス・ピーシーズ』『作品19/ザ・ドリーマー』『ザ・コンサート』ジェローム・ロビンズ:振付
Ballet Master in Chief: Peter martins バレエマスター・イン・チーフ:ピーター・マーティンス

ニューヨーク・シティ・バレエの、5月17日夜の公演を観ました。全てジェローム・ロビンズ振付の特集で、3つの作品でした。
まず、『グラス・ピーシーズ Glass Pieces』(1983年5月12日、ニューヨーク・ステート・シアター初演)、音楽はフィリップ・グラスです。2作目は、『作品19/ザ・ドリーマー Opus 19/The Dreamer』(1979年6月14日、ニューヨーク・ステート・シアター初演)、音楽はセルゲイ・プロコフィエフ。3作目は、『ザ・コンサート The Concert 』(1956年3月6日、シティーセンター・オブ・ミュージック・アンド・ドラマ、ニューヨーク初演)、音楽フレデリック・ショパンです。

ny1406a02.jpg  (C) Paul Kolnik

『グラス・ピーシーズ』では、プリンシパル・ダンサー ウェンディ・ウェーラン、アドリアン・ダンツィヒ=ワリングが出演しました。
舞台後方は一面、白っぽいクリーム色のような地色にマス目が入った背景でした。無機質な感じの背景で、クラシック・バレエ・ベースですが現代的な要素も加えられた振付の作品でした。音楽も素晴らしく、最初は速いテンポで3拍子のリズムが続きました。大人数のコール・ド・バレエが踊ったので、迫力があり、美しかったです。数名ずつのグループが同じ振付で踊りながら通り過ぎ、次々に重なって入れ替わり続け、速く、たくさん展開していきました。
そして、ウェーランとダンツィヒ=ワリングが静かでゆっくりした曲で、パ・ド・ドゥを踊りました。身体の動きがとても軽やかで、元気のある雰囲気の踊りでした。ウェーランを上にリフトしたままで、歩いて消えていき、照明も消えました。
最後はまた速いテンポの音楽と展開になり、次々とダンサーたちのグループが踊り、通り過ぎ、重なり続け、走り回りながら踊り続けました。

ny1406a01.jpg (C) Paul Kolnik

『作品19/ザ・ドリーマー』では、プリンシパル・ダンサーはスターリング・ヒルティン、ゴンザロ・ガルシアが出演しました。
最初はコール・ド・バレエ数名が、立ちひざと手だけで表現していました。やがて、数名ずつのグループで踊り、入れ替わって重なって展開していきました。その前で、ヒルティンとガルシアが踊るシーンが多く、ガルシアのソロ、ヒルティンのソロもありました。
印象に残ったところは、ヒルティンが素早くシェネを続けて、ポワントのままヒザを曲げてプリエした状態で早く歩いて進んだり、かかとを床につけたままで踊っていたところです。クラシック・バレエ・ベースですが、ところどころ、このように現代的な、独創的な振付の要素がちりばめられていました。
最後のシーンが素晴らしく、大勢が後ろで1列に並んでいるところに、前にヒルティンとガルシアが出てきて少し踊り、2人は前後に重なって客席を向いて立っていました。エジプシャンのポーズのように両肘を曲げて左右に開き、2人はそのままの状態で両手を重ねて、このポーズのままで終わりました。美しかったです。

ny1406a3.jpg (C) Paul Kolnik

『ザ・コンサート』では、プリンシパル・ダンサーはスターリング・ヒルティン、ホアキン・デ・ルースが出演しました。この作品は以前、詳細をレポートしたことがありますので、細かい内容は省きます。とても楽しい、愉快な作品です。全体が面白いコメディーになっています。客席はしょっちゅう、大笑いの渦が起こっていました。この作品はよく知られているので、楽しみにしている観客が多く、どんなジョークが展開されていくのか覚えている方も多く、例えば、最初にピアニストが歩いて舞台上に出てきただけでクスクスと笑い声が聞こえてきました。私も何度か見ているのですが、今回もまた大笑いさせていただきました。衣装もカラフルできれいですし、楽しかったです。
(2014年5月17日夜  David H. Koch Theater)