ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA 
[2014.03.10]

マーティンス/チャイコフスキー、ウィールドン/ナイマン、ロビンズ/ヴェルディの夕べ

New York City Ballet ニューヨーク・シティ・バレエ
“ Bal de Couture ” by Peter Martins, “ DGV : Dance a Grande Vitesse ” by Christopher Wheeldon, “ The Four Seasons ” by Jerome Robbins
『バル・ドゥ・クチュール』ピーター・マーティンス:振付、「DGV : 超高速ダンス」クリストファー・ウィールドン:振付、『四季』ジェローム・ロビンズ:振付

やはり、リンカーンセンターのニューヨーク・シティ・バレエのトリプルビル公演です。
最初は、『 Bal de Couture バル・ドゥ・クチュール』、2012年初演の作品です。振付はピーター・マーティンス、音楽はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー。『エフゲニー・オネーギン』より「ポロネーズ」「エレジー in G: for Strings」「間奏曲とワルツ」です。
バレンチノがゴージャスな衣装をデザインしています。
出演ダンサーは20名。プリンシパルは12名で、ジャニー・テイラー、セバスチャン・マルコヴィッチ、テレサ・ライヒェルン、レベッカ・クローン、ジャレド・アングル、アスク・ラ・コール、ジョナサン・スタフォード、スターリング・ヒルティン、アビー・スタフォード、アンドリュー・ヴィエット、ロバート・フェアチャイルド、アマール・ラマサールです。一度に12名ものプリンシパルが踊ったので見応えがあり、レベルが高くて圧巻でした。

ny1403b_04.jpg Photo:(C)Paul Kolnik

衣装は、男性ダンサーは黒のスーツ、女性ダンサーはロング丈の段々スカートのドレスとトゥシューズ。最初は社交ダンスのように男女ペア6組がでてきて踊りました。オルゴールの人形のようで可愛かったです。
次に3組の男女ペアが踊りました。3名の女性の衣装は、それぞれ赤、白、黒1色の分厚く立体的な形のチュチュでした。
次に、薄いピンクのシフォンのワンピースでロングヘアーを下ろした女性ダンサーと、黒いパンツと白いシャツの男性ダンサーがでてきて、静かな曲で踊りました。女性は、ジャニー・テイラーでしょう。ペアで少し情熱的に踊り、その男性が消えた後、別の男性がでてきて、彼女とさらに激しく情熱的に踊りました。このように、男性ダンサーが入れ替わり、何度か彼女と踊るシーンが続きました。
また最初のように、ドレスの女性たちと男性たちの6組のペアがでてきて、踊りました。速いリズムのワルツで、時々リフトして男性のうえで女性がアラベスクをしたりしていました。社交ダンス風でしたが、クラシック・バレエの振付を混ぜていました。
次にまた、3名のチュチュの女性(赤、白、黒)と男性達のペアが次々に出てきて、短く踊りました。
これらの6組と3組の男女ペアたちが同時に踊り、リフトして下ろしポーズをきめて静止して終わりました。

ny1403b_01.jpg Photo:(C)Paul Kolnik

二作目は、『DGV : Dance a Grande Vitesse  DGV : 超高速ダンス』。2006年初演の作品です。振付はクリストファー・ウィールドン、音楽はマイケル・ナイマンの「MGV(超高速音楽)」です。
出演したダンサーは8名です。プリンシパルは、サラ・メアンズ、ロバート・フェアチャイルド、メーガン・フェアチャイルド、ゴンザロ・ガルシア、アマール・ラマサールです。
クラシック・バレエ・ベースで、少しコンテンポラリーの要素も入った、新しい感じの現代的な振付でした。
後方の壁は一面、黒一色の背景で、ダンサーたちが大勢、舞台下手の後ろの方で1箇所に固まって立っていて、そこにほんの薄く照明の光が当たっていました。このダンサーたちは後ろを向いて軽く足を広げて立っていて、音楽のリズムに合わせて全員が左右に揺れ続けていました。彼らはレオタード姿で、とてもスタイルが良い様子が目立ち、カッコよかったです。舞台後ろのほうには固まった薄いシートのようなオブジェが置かれていて、波のように見えました。
この1箇所に固まっていたダンサーたちの中から、男女ペアが舞台の前の方へ出てきて、パ・ド・ドゥを踊りました。丁寧で美しい踊りでした。このペアが踊り続けているところに、次々に他のダンサーたちが出てきて、男女ペア5組が後ろで踊っていました。
ダンサーたちは、ペアでリフトしながら踊ったり、お互いに手をつなぎながら踊っていました。楽しそうな雰囲気でした。リフトしながら通り過ぎたり、数名のダンサーたちが2番ポジションでグランプリエをしながら横へ少しずつ進んでいったりしていました。
一定の速いリズムの音楽に乗って、次々に速く展開していったダンスで、照明の強弱と舞台上の空間の使い方もバランスが良くて美しい作品でした。

そして最後は『四季』。1979年初演の作品です。振付はジェローム・ロビンズ、音楽はジュゼッペ・ヴェルディです。
出演したプリンシパルは、春のスターリング・ヒルティンとテイラー・アングル、夏のテレサ・ライヒェルンとアドリアン・ダンチヒ=ワリング、秋のタイラー・ペックとアンドリュー・ヴィエットです。この作品は以前にもレポートしました。
冬、春、夏、秋の順番で、四季を表す踊りが巡っていきます。衣装も照明もそれぞれ四季を表しています。
パ・ド・ドゥが多く登場して、盛り上がる見所が多い構成です。
最後は四季の全員のダンサーたちが同時に登場するフィナーレで、4組の男女ペアが同時に女性をリフトしたまま、終わりました。
(2014年2月27日夜 リンカーン・センターDavid H. Koch Theater)

ny1403b_02.jpg Photo:(C)Paul Kolnik