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ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA 
[2014.02.10]

マーク・モリスのスピーディで音楽と溶け合った見事な振付

Mark Morris Dance Group マーク・モリス・ダンス・グループ
"L'Allegro, il Penseroso ed il Moderato" by Mark Morris 
『陽気な人、思い耽る人そして穏健な人』マーク・モリス:振付
(ジョン・ミルトン原作の詩を元に、ジェイムズ・ハリスおよびチャールズ・ジェネンズが台本化)

11月21日から23日まで、リンカーンセンターのホワイト・ライト・フェスティバルで、マーク・モリス・ダンス・グループの『陽気な人、思い耽る人そして穏健な人』が上演されました。私が観劇したのは11月21日です。
マーク・モリスは、地元ニューヨークのコンテンポラリー・ダンス・カンパニーを率いていて天才と評されています。地元でも人気なので、毎回、チケットは完売でします。明るくて楽しい演出で、とても幸せな気持ちになるれる作品が多いです。

ny1402b03.jpg Photo Credit: Nan Melville

客席もライトがついたまま、幕は閉じていて、音楽が鳴り始めました。ハープシーコード、ストリングス中心のバロック音楽で、オーケストラの演奏です。ヘンデルの曲です。(Overture: Concerto Grosso in G major, Op. 6, No.1(1739) 、
L'Allegro, il Penseroso ed il Moderato (1740) )
マーク・モリス・ダンス・グループは、MMDGミュージック・アンサンブルというオーケストラも持っていて生演奏です。音楽のレベルも高いです。
幕が開いて、舞台上は真っ暗でした。オペラのような歌が始まりました。
ダンサーたちが次々に走って出て来て、消えていき、すごいスピード感です。振付の違う踊りが、次々に重なって展開していきます。モリスの振付は、同じ動きを繰り返すものは少なく、毎回、毎秒、違う動きが重ねられて続いていきます。音楽と振付が溶け合っています。リズム感があり、オリジナリティのある独特な踊りです。ダンサーは全員裸足で、数人ずつの小グループの踊りがあり、途中でダンサーたちが入れ替わっていき、全体が流れるようにソロの踊りなどにも移り変わっていきました。
自由な振り付けで、時々、ダンスに混ぜてただ歩いていくだけ、走って行くだけのところもありました。パントマイムや演劇の要素も多いです。
途中、印象に残ったところは、小鳥か天使のようにつばさをはためかせているような、軽やかな面白い、コミカルな振付です。男女2人が、会話しているかのようにジェスチャーで腕を羽のようにはためかせて、小鳥のように首をカクカクさせて動かして、向かい合って首だけで会話していました。その間合い、タイミングがすべて完璧にピッタリあっていて見事でした。
全体に自由で、のびのびしている踊りで、制約にとらわていないです。組み体操のようにリフトしているシーンもありました。
また、照明が美しくて、感動しました。淡い、抑え気味のパステル調の照明が多かったです。
途中、音楽を中心に演出しているところもありました。オルガンの音だけが鳴っていて、ダンサー全員、後ろを向いて、じっと立って聞いているところなどももありました。
全体にスピード感がある面白い展開で、すべてのバランスと間合いがぴたっときまっていて、厭きさせないシーンが続き、あっという間に終わってしまったように感じました。それほど完璧な間合いでした。
(2013年11月21日夜  David H. Koch Theater)

ny1402b01.jpg Photo Credit: Elaine Mayson ny1402b02.jpg Photo Credit: Elaine Mayson