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針山 真実 text by MAMI HARIYAMA 
[2013.12.10]

ラトマンスキー、モリス、ポーソホフ、リアングのNY初演作を上演、サンフランシスコ・バレエ

San Francisco Ballet サンフランシスコ・バレエ
From Foreign Lands” by Alexei Ratmansky Beaux by Mark Morris Classical Symphony by Yuri Possokhov Symphonic Dances by Edwaard Liang
『フロム・フォロイン・レディス』アレクセイ・ラトマンスキー:振付、 『Beaux 』マーク・モリス:振付、『クラシカル・シンフォニー』ユリ・ポーソホフ:振付、『シンフォニック・ダンシィーズ』エドワード・リアング振付

サンフランシスコ・バレエがニューヨーク公演を行った。上演された3つの作品はどれもニューヨーク初演作品で、ここ数年間に振付けされた新しい作品ばかり。

ny1312c07.jpg “From Foreign Lands”  by Alexei Ratmansky

まず最初は近年全国、全米で最も注目されている振付家の一人であるアレクセイ・ラトマンスキーが振付けた『フロム・フォロイン・レディス』。
6つの国、ロシア、イタリア、ドイツ、スペイン、ポーランド、ハンガリーの踊りを6つの音楽に合わせて構成され、ロシアとスペインは二組のデュオが踊り、その他はプリンシパルとコール・ド・バレエが数人で踊った。国が象徴された振付の多くが『くるみ割り人形』2幕のシーンのようにその国をイメージしたデザインの民族衣装風だが、この作品にはこれまでにどんなバレエでも見たことのないデザイン。膝丈にスカートにチュチュがフワフワと乗ったような可愛らしい衣装だった。6つの踊りの中で特に印象に残ったのが『ドイツ』のプリンシパルを踊った今年の夏にアメリカン・バレエ・シアターからサンフランシスコ・バレエにソリストとして移籍したシモン・メセマー。とてもしなやかで動きが大きく途切れることがない。踊りに自信が感じられ、さすがアメリカン・バレエ・シアターでソリストとして踊っていただけあり、とてもプロフェッショナルな踊りで魅了した。複雑な振り付けでステップも多く、まだ新しい作品だからということもあると思うが、その他の踊りは全体的にダンサーの動きが不揃いだったのが残念だった。

ny1312c08.jpg “From Foreign Lands”  by Alexei Ratmansky ny1312c09.jpg “From Foreign Lands”  by Alexei Ratmansky
ny1312c01.jpg “Beaux” by Mark Morris

そして次にはマーク・モリス振り付けの『Beaux』。9人の男性ダンサーのみ、、幕が開いてまず印象的なのが衣装と背景。ピンク、オレンジ、黄色の迷彩柄の総タイツを着た9人が横並びになって両手を上に伸ばし両足を開いて立っている。背景の幕も一面に同様の迷彩。3人ずつシンクロナイズされた動くところ、9人が全員揃って動くところ、そして9人のうち1人だけが違う向きを向いて動くなど、構成はいつものとおり大変クリエーティブで動きはユニークだが不自然ではない。マーク・モリスの振付けに惹き付けられる。

ny1312c02.jpg “Beaux” by Mark Morris ny1312c03.jpg “Beaux” by Mark Morris
ny1312c04.jpg “Classical Symphony,” by  Yuri Possokhov

そしてサンフランシスコ・バレエの常任振付家、ユーリ・ポソーホフが振付けた『クラシカル・シンフォニー』。この踊りからはサンフランシスコ・バレエのクラッシック・バレエ団としてのレベルの高さが見ることが出来た。特にプリンシパルのパ・ド・ドゥで何度か見せた女性がしゃがんで、片足はポワントでもう一方の足を軸足に絡ませて回るターンが印象的で、あの姿勢で10回以上回っていられることが凄いと思った。またコール・ド・バレエで踊った日本人の石原古都は身体が洗練されていて踊りも切れがありシャープで文句なく目を引いていた。

ny1312c05.jpg “Classical Symphony,” by  Yuri Possokhov ny1312c06.jpg “Classical Symphony,” by  Yuri Possokhov
ny1312c10.jpg “Symphonic Dances,” by  Edwaard Liang

最後にエドワード・リアング振付の『シンフォニック・ダンシィーズ』。
唯一印象に残ったのはプリンシパル・カップルの一組として出演したヤンヤン・タン。彼女が舞台上に一歩出てきた瞬間、ミューズが出てきたのかと思わせるオーラが違い。他のダンサーとは違う空気感、存在感、そしてエレガンス。見せ付けているわけではないのに最も印象に残る貫禄を放っていた。

ny1312c11.jpg “Symphonic Dances,” by  Edwaard Liang ny1312c12.jpg “Symphonic Dances,” by  Edwaard Liang

(2013年10月18日 THE DAVID H. KOCH THEATER )