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イサム・ノグチ舞台美術とウェンディ・ウェランが素晴らしかった『オルフェウス』

New York City Ballet ニューヨーク・シティ・バレエ
“Stravinsky/Balanchine The Collaboration”
「ストラヴィンスキー/バランシン ザ・コラボレーション」
ny1210a01.jpg Photo : Paul Kolnik

9月18日から10月14日まで、ニューヨーク・シティ・バレエの、秋のシーズン公演期間です。
9月23日の「ストラヴィンスキー/バランシン ザ・コラボレーション」を見ました。『アポロ』『オルフェウス』『アゴン』の3つの作品集です。3作品とも、ストラヴィンスキー作曲の音楽、バランシン振付です。

一つめは『アポロ』。ニューヨーク・シティ・バレエの初演は1951年です。
出演ダンサーは、アポロはロバート・フェアチャイルド、テルプシコールはスターリング・ヒルティン、ポリヒムニアはタイラー・ペック、カリオペはアナ・ソフィア・シェラーです。アポロと3人のミューズの物語です。
4名で踊るところ、ソロで踊るシーンが続き、パ・ド・ドゥもありました。
体格が良く男らしいアポロと、対照的にとても女性らしい美しいミューズたちが織り成す踊りは、ギリシャ神話風の衣装も効果的で、幻想的で美しかったです。
全体にゆったりした作品で、ゆっくりポーズを決める丁寧な踊りです。やはり、最後に4名が重なって、3名の女性が3段で段差をつけてアラベスクしてポーズを決めて終わるシーンが、とても美しくて目に焼きつきました。

ny1210a02.jpg Photo : Paul Kolnik

この日の公演で一番の見所は、『オルフェウス』です。主な出演ダンサーは、オルフェウスはアスク・ラ・コール、ダークエンジェルはアマール・ラマサール、エウリディケーはウェンディ・ウェランです。
この作品の舞台セットと衣装デザインは、彫刻家の巨匠イサム・ノグチによるもの。今でもそのイサム・ノグチの舞台セットを保存して再現している舞台なので、作品全体が一つの美術彫刻作品と言えます。大きなオブジェが何種類か使われており、舞台の左右、両横の空間にいくつもぶら下げられていたり、舞台上にいくつか置かれています。衣装はレオタード上に立体的なオブジェが縫い付けられているものが多かったです。のっぺらぼうのダンサーたちや、全身顔までピンク色の女性たちも出てきました。絵本から飛び出したような雰囲気です。イサム・ノグチの作品世界の中に入り込んだような感じになりました。
40代半ばのウェンディ・ウェランは未だに現役でプリンシパルをつとめています。ウェランはさすがベテランで、演技力も素晴らしいです。この作品中でも、一番華があり、ひときわ目立っていました。
最後に、後ろの岩から竪琴が宙に浮いてきて、幕が降りて終わりました。

『アゴン』の出演ダンサーは、マリア・コワルスキー、レベッカ・クローン、セバスチャン・マルコヴィッチ、アンドリュー・ヴィエット、アシュリー・ララシー、メーガン・ルクローン、アドリアン・ダンチヒ=ワリング、クレイグ・ホールです。
男性4名での踊りのあと、女性が8名でてきて踊りました。この女性たち8名はすべて足が長くスタイル抜群で揃っていて、美しかったです。
女性2名と男性1名グループや、男性2名女性1名や、女性2名の踊りなど次々に展開して、入れ替わっていきました。パ・ド・ドゥもありました。パ・ド・ドゥ4組が同時に踊るところもあり、激しくジャンプして、リフトをするシーンもありました。
(2012年9月23日昼 David H. Kock Theater)