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針山 愛美 text by Emi Hariyama 
[2011.08.10]

『カルメン組曲』『シンフォニー・イン・C』

The Mariinsky Ballet マリインスキー・バレエ団
Alberto Alonso "Carmen Suite" George Balanchine "Symphony in C"
アルベルト・アロンソ振付『カルメン組曲』、ジョージ・バランシン振付『シンフォニー・イン・C』

15日は『カルメン組曲』と『シンフォニー・イン・C』のプログラムを見ました。
『カルメン組曲』はリハーサルから見ることができました。本番当日、15時からのリハーサル、本番は20時にもかかわらずみんなかなりしっかり踊っていました。とリハーサル後は思っていましたが、本番はまた別格でした。ディアナ・ヴィシニョーワはカルメンの魅力にぴったり、見せるところを心得ていて、ほんとうに適役だと思いました。男性のダンサーはもう少し力強さを出して欲しかったですが、ラインが美しく綺麗でした。アロンソ版の『カルメン組曲』をカットなしで見る機会は少なくなってきたので貴重でした。

『シンフォニー・イン・C』は、ロシアで作ったと思われる衣装(ワイヤーの張り具合から)がほんとうに豪華でした。
幕が開いた途端、会場から思わず拍手が起りました。ダンサーたちも立っているだけでたいへん美しい。ラインも容姿も美しく見ているだけでため息が出そうでした。踊りだすと、バランシンというよりも、ワガノワという感はありましたがそれでもとても美しかったです。
第1楽章はアリーナ・ソーモワの型にはまらない大胆な踊りと美しさ、安定したサポートと踊りのアンドリアン・ファジェーエフ。第2楽章アダジオのパートを踊ったウリヤーナ・ロパートキナは優雅で美しい脚線美に魅了されました。第3楽章のエフゲーニャ・オブラスツーワとウラジーミル・シクリャローフの元気一杯でバネと張りの効いたジャンプ、そして茶目っ気たっぷりのパフォーマンス。第4楽章はまだまだ若手でフレッシュな魅力溢れるマリア・シリンキナとアレクセイ・ティモフェーエフ。それぞれがまったく違った個性を出し合い、素晴らしい作品に仕上がっていました。30人以上の女性コール・ド・バレエ陣とソリストが最後に全員で踊ったときはもう圧巻でした。マリインスキー・バレエ団ならではの華やかさで、観客を魅了しました。
このプログラムは完全ソールドアウトで、会場の外ではチケットを求めるたくさんの人が争奪戦が繰り広げる程の、たいへんな人気ぶりでした。
来シーズンのサマーフェスティバルにはパリ・オペラ座バレエ団が来演するそうです。
(2011年7月15日 メトロポリタン・オペラハウス)

『カルメン組曲』
カルメン/ディアナ・ヴィシニョーワ
ホセ/ユーリ・スメカロフ
『シンフォニー・イン・C』
1 PART/アリーナ・ソーモワ、アンドリアン・ファジェーエフ
2 PART/ウリヤーナ・ロパートキナ、ダニエル・コルスンツエフ
3 PARTエフゲーニャ・オブラスツォーワ、ウラジーミル・シクリャーロフ
4 PART/マリア・シリンキナ、アレクセイ・ティモフェーエフ