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高度なテクニックとラテン気質のキャラクターのキューバ国立バレエ団公演

Ballet Nacional de Cuba キューバ国立バレエ団
Alicia Alonso“La Magia de la Danza”
アリシア・アロンソ振付『ラ・マヒア・デ・ラ・ダンサ』
ny1107c02.jpg Photo:Nancy Reyes

キューバ国立バレエ団の「ラ・マヒア・デ・ラ・ダンサ」の公演が、BAMにて、6月8日から11日までありました。私は9日に観に行きました。
キューバのクラシック・バレエは世界的レベルで、主要なバレエ団のプリンシパル・ダンサたちを多く輩出しているので、とても興味がありました。キューバ出身のダンサーは、ABTのホセ・カレーニョ、シオマラ・レィエス、英国ロイヤルバレエ団のカルロス・アコスタなどがいます。
芸術監督と振付は、アリシア・アロンソです。オーケストラはオルケスタ・クバーノ、指揮者はジョバンニ・ドゥアルテです。

『ラ・マヒア・デ・ラ・ダンサ』は、有名なバレエ作品の踊りを集めた小品集です。『ジゼル』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』『コッペリア』『ドン・キホーテ』『白鳥の湖』『ゴッツチョーク・シンフォニー』です。

全体的に踊りも表現も、キューバらしく元気はつらつで陽気で明るかったです。さすがラテンの人たちだなと思いました。この陽気さは、バレエでは『コッペリア』や『ドン・キホーテ』などではピッタリでした。
女性ダンサーたちはみんな肉体的に、足も肉付きが良くて筋肉が分厚く、ふっくらとしていて元気そうでした。ヨーロッパなど他の地域のダンサーよりも、体ががっしりしていて体操選手のような体つきです。男性ダンサーたちには黒人もみられ、全身のバネが素晴らしかったです。
男性ダンサーの添えなしで女性ダンサーたちがバランスを取って静止するシーンが多く、技術力が高かったです。

ny1107c01.jpg Photo:Nancy Reyes

公演の日によって主役は交代で違うダンサーがやっていました。以下、9日の主な役のダンサーの名前を記します。
『ジゼル』(第2幕)では、ジゼルはサダイセ・アレンシビア、アルブレヒトはアリアン・モリーナ、ヒラリオンはエルネスト・アルバレス、ウィリーの女王(ミルタ)はアマヤ・ロドリゲスでした。アレンシビアははっきりした顔の美人で、とても体格ががっしりしているダンサーです。ラテン系らしく表情がとても豊かでした。ピルエットなど技が決まったときには、ニコニコと満面の笑みを浮かべていました。
『眠れる森の美女』(第3幕)では、オーロラ姫はヴィエングセイ・ヴァルデス、デジレ王子はアレハンドロ・ヴィレリェスでした。ヴァルデスもとてもがっしりした体型で見事なボリュームの太ももで、安定した技術でした。陽気で元気いっぱいなキャラクターでした。

『くるみ割り人形』(第2幕)では、花のワルツはヴェロニカ・コルヴェアス、ジェシー・ドミンゲス、金平糖の精と王子はアネッテ・デルガードとダニー・ヘルナンデスでした。デルガードは、細身で繊細な感じのダンサーで、とても優雅で美しい方でした。

『コッペリア(第1幕と第3幕)では、マズルカのソリストはメルセデス・ピエドラとハビエル・サンチェス、スワニルダはエステイシス・メネンデス、フランツはアルフレド・イバニェスでした。 
『ドン・キホーテ』(第1幕と第3幕)では、キトリはヤネラ・ピニェラ、バジルはホセ・ロサーダ、エスパーダはアリアン・モリーナ、メルセデスはジェシー・ドミンゲスでした。
『白鳥の湖』のオデットはバルバラ・ガルシア、ジークフリート王子はヤニエル・ゴメスでした。 

『ゴッツチョーク・シンフォニー』では、バルバラ・ガルシア&アレハンドロ・ヴィレリェス、サダイセ・アレンシビア&ホセ・ロサーダ、ヤネラ・ピニェラ&エルネスト・アルバレス、ヴィエングセイ・ヴァルデス&アレハンドロ・ヴィレリェスでした。
これはラテンっぽい作品で、太鼓の音がある明るいリズミカルな曲でした。キューバらしさを最後に前面に出して表現したのでしょう。衣装も赤っぽい明るいもので、楽しそうな雰囲気でした。トップのプリンシパル・ダンサーたちが勢ぞろいしてパ・ド・ドゥを次々に披露しました。
(2011年6月9日夜 BAMのHoward Gilman Opera House)