ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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皆様お元気ですか。 ニューヨークはまた秋のように肌寒くなったり、不安定な天気が続いています。実は最近、私もニューヨークに来て初めてタップダンスのショーケースに出演したので、良い経験になりました。いつもダンサーを取材する側なので、出演するダンサーの側も体験してみて、さらに深い取材ができるようになりたいと思いました。
今はちょうどニューヨークではダンス公演が活発な季節です。
5月3日から6月12日まで、ニューヨーク・シティ・バレエのニューヨーク公演がありました。5月16日から7月9日まで、ABTのニューヨーク公演があります。これから夏にかけて、ニューヨークでは、セヴィアン・グローヴァーやタップシティなど、タップダンス公演が盛んになります。

コレーラとレイエス、加冶屋百合子が踊ったABTの幻想的『ジゼル』

American Ballet Theatre アメリカン・バレエ・シアター
Choreography after Jean Coralli, Jules Perrot and Marius Petipa
Staged by Kevin McKenzie “Giselle”
コラリ、ペロー、プティパ振付、ケヴィン・マッケンジー演出『ジゼル』

5月16日から7月9日まではメトロポリタン・オペラハウスではABTの公演期間です。
私は、アンヘル・コレーラが出演する6月1日の『ジゼル』を観に行きました。コレーラはABTで一番人気といっても良いほどの大スターですが、今シーズンのABT出演はほんのわずかでした。彼は現在、祖国スペインで自身のバレエ・スクールとバレエ・カンパニーのコレーラ・バレエ「カスティーリャ・イ・レオン」を主宰し芸術監督を務めているるため、ABTのプリンシパルとしての活動は徐々に減ってきているのでしょう。彼のABT引退の時期が近づいているのかもしれませんね。私と同じことを考えている人々が多いのでしょう、当日の客席は満員でした。
今年のABTの東京公演(7月21日から29日)にコレーラも出演予定です。

ny1107a01.jpg シオラマ・レイエス Photo: Gene Schiavone

この舞台は休憩をはさんで2幕で構成されています。ジゼルはシオマラ・レィエス、アルブレヒトはアンヘル・コレーラです。レイエスはとても可愛らしく可憐なので、ジゼルがピッタリ合っていました。コレーラの踊りもますます健在で、とても気の良い雰囲気です。
第一幕は村人のジゼルと身分(貴族)を隠して近づいてきたアルブレヒトとの恋の様子から一転、もともと心臓の弱いジゼルがショックで亡くなります。
第二幕では、森のジゼルのお墓の近くで、精霊ウィリーたちの仲間に加わったジゼルの霊と、ウィリーの女王ミルタの幻想的な踊りがとても美しかったです。その精霊たちと、ジゼルのお墓にやってきた生身の人間であるアルブレヒトとのやりとりも幻想的でした。
ジゼルは私が特に好きな作品です。何度も拝見しましたが、いつも幕が閉じる瞬間にとても感動します。あの世の精霊たちのお話なので、夢の中にいるような心地になります。

ソリストの加治屋百合子はジョセフ・フィリップスとのパ・ド・ドゥを踊りました。加治屋の踊りはとても繊細で優雅です。特に首とて全体の表情が豊かで丁寧です。重心が安定していて軽々と踊ります。彼女ももうじきABT東京公演に出演予定で、『ドン・キホーテ』で主役を踊ります。
私は人の何倍も努力家で、芯が強く負けず嫌いの加治屋を応援しています。
(2011年6月1日夜 メトロポリタン・オペラハウス)