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スタンコヴィックの今日のニューヨークを表徴するダンス

Suzana Stankovic and the Stankovic Ballet Company
スザーナ・スタンコヴィック・アンド・ザ・スタンコヴィック・バレエ・カンパニー
Suzana Stankovic PREDISTIND
スザーナ・スタンコヴィック『プレディスティンド』
ny1012b01.jpg (C)Ken Paprocki

スザーナ・スタンコヴィックについては以前にもレポートしたことがありますが、今ニューヨークで注目のダンサー、振付家です。女優も兼ねていて、テレビや映画にも出演しています。自身が振付け、演出をするバレエ・カンパニーを主宰していて、時々ニューヨークで公演しています。
とても個性的で、ニューヨークらしい独特な舞台で、演劇と踊りの両方の要素があります。クラシック・バレエをベースにした振付で時々チュチュを着て出てきますが、現代的な演劇構成です。

11月11日から13日までTada! シアターで、公演が行われ、私は11月13日夜の公演を観に行きました。
2幕の構成で、10個の作品があり、全体が一つの物語のようにつながっていました。ニューヨークの公園での出来事で、公園のシーンでは真ん中にベンチが置かれていて、そのベンチの周りで1人の男性の変質者や、ジョギング中のナルシストの男性がでてきました。変質者役の男性は俳優で演技がすばらしく、本当に頭のおかしい変質者のようでした。
スザーナはこんな周りのおかしな人々のことを気にせずにベンチでお弁当のサンドイッチを食べる、クソ真面目なメガネをかけた女性の役をしていました。変質者に嫌がらせをされて目の前でコートを開けた露出狂がニヤニヤして彼女は悲鳴をあげ、それからすばやく真面目な服装を脱ぎ捨ててスーパーガールのようなレオタードとブーツ姿に変身し、彼ら2人をやっつけました。こういう人たちは実際ニューヨークに時々いるなあ、と思いました。ニューヨークらしい様子が表現されている舞台作品です。

ny1012b02.jpg (C)Alexandros Giannakis

全体を通して、スザーナ本人がトゥシューズをはいてでてきて踊るところが多かったので、純粋なダンス公演として観ても面白かったです。彼女の踊りは、とても演技力があって表情が豊かで、感情がこもっています。

舞台上で途中、シーンを変えるため舞台セットを片付けに来る黒子の代わりに、天使の羽をつけた黒いレオタードとタイツを着た太めの男性のエンジェルがでてきました。彼はダンサーではなく、わざと下手くそなバレエをくるくる踊りながら、舞台セットを片付けて舞台から持ち去っていました。ローラーブレードに乗ってへたくそなアラベスクをしたまま舞台上をぐるぐる走って周ったときは、客席は爆笑していました。これもニューヨークらしい面白い演出で、良かったです。
(2010年11月13日、タダ!シアターにて)

ny1012b03.jpg (C)Rachel Neville ny1012b04.jpg (C)Alexandros Giannakis

※1枚目・3枚目の写真は今回の公演の物ではありません。
※画像をクリックすると、大きな写真をご覧いただけます。

◎ニューヨークの主な『くるみ割り人形』公演
New York City Ballet/11月26日から1月2日までDavid H. Koch Theater
American Ballet Theatre/12月22日から1月2日までBAM。
Mark Morris Dance Group『ザ・ハード・ナット』12月10日から19日までBAM。