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皆様、こんにちは。ニューヨークは芸術の秋で、1年で一番ダンス公演が活発に上演される季節です。ニューヨーク・シティ・バレエの公演シーズンでもありますので、レポートをお送りします。

NYCBはストラヴィンスキー&バランシン、ロビンズ、ビゴンゼッティなどの小品集

New York City Ballet ニューヨーク・シティ・バレエ
George Balanchine " MONUMENTUM PRO GESUALDO" "MOVEMENTS FOR PIANO AND ORCHESTRA" "DUO CONCERTANT"
Jerome Robbins "OPUS 19/THE DREAMER"
Mauro Bigonzetti "LUCE NASCOSTA"
ジョージ・バランシン振付『ジェズアルドのための記念碑』『ムーヴメンツ・フォー・ピアノ・アンド・オーケストラ』『デュオ・コンチェルタント』
ジェローム・ロビンズ振付『オーパス 19/ザ・ドリーマー』
マウロ・ビゴンゼッティ振付『ルセ・ナスコスタ』
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9月14日から10月10日まで、リンカーンセンターのシアターでニューヨーク・シティ・バレエの秋の公演シーズンです。すべてて短めの小品集です。
私が観劇したのは5つの小品集です。ストラヴィンスキーの音楽を使ったものが3つありました。
最初の作品は『ジェズアルドのための記念碑』。ジェズアルドはイタリア貴族で妻殺しなどの殺人者だが、ルネッサンス後期の作曲家で美しいマドリガーレを作曲したことでも知られるドン・カルロ・ジェズアルド。ストラヴィンスキーは音楽家として敬意をは抱いていたジェズアルドの曲を編曲するなどして『ジェズアルドのための記念碑』を作曲しました。振付はジョージ・バランシンで1960年初演です。主役ダンサーはテレサ・ライヒェルン、アスク・ラ・コールです。ダンサーたちは大勢出演しました。衣装は男女ともシンプルな白黒のレオタードとタイツです。
とても短い作品で、バランシンらしいクラシックベースで揃っているきれいな踊りでした。
次は『ムーヴメンツ・フォー・ピアノ・アンド・オーケストラ』、音楽はストラヴィンスキー、振付はジョージ・バランシンで1963年初演の作品です。『ジェズアルドのための記念碑』とこの作品は、別々の作品でしたが、1966年にバランシンはペアの舞台に構成しましたので、1つ目の作品が終わってすっと照明が消えただけで、続けてダンサーたちはさきほどと同じ衣装で踊りました。
主役ダンサーはレベッカ・クローン、セバスチャン・マルコヴィッチです。クラシックベースですが、バランシンの作品の中ではコンテンポラリーの要素も入っています。ひじをピンと伸ばして腕を左右に広げて、手の平を垂直に立てて外側に向けたまま動いていました。
3つ目は『デュオ・コンチェルタント』、音楽はストラヴィンスキー、振付はジョージ・バランシンで1972年の初演作品です。ダンサーはスターリング・ヒルティン、ジャレド・アングルです。
舞台上にピアノが置かれ、ピアニストとバイオリニストの2名の音楽家が舞台で生演奏をしていました。ダンサー2人は最初はピアノのところに止まって立っていて、その演奏を聴いていました。しばらくして2人の踊りが始まり、またピアノの近くで立って演奏を聴いたり再び踊ったり、繰り返していました。
速いテンポで、軽やかな面白い踊りでした。バランシンの作品の中では個性的な変わった振付です。とても楽しそうな感じでした。
最後は照明がパッと消えて真っ暗になり、ダンサー2人の手もとだけを照明が薄くあたって、手だけで表現してスーッと照明が消えて終わりました。ステキな終わり方です。ロマンティックでした。
 

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休憩の後、4つ目は『オーパス 19/ザ・ドリーマー』、音楽はセルゲイ・プロコフィエフ、振付はジェローム・ロビンスで1979年の初演作品です。主なダンサーはウェンディ・ウェーラン、ゴンサロ・ガルシアです。静かな音楽でこれはクラシックベースのロマンティックな作品でした。次々にソロや2名〜数名のダンサーたちが踊って重なるようにして通り過ぎて入れ替わっていきました。走馬灯のようにシーンと振付がくるくる変わっていく、流れるような作品です。
5つ目は、この公演で一番盛り上がったメインの作品で、今年6月に初めてお披露目されたばかり。『ルセ・ナスコスタ』、音楽はブルーノ・モレッティ、振付はマウロ・ビゴンゼッティです。主なダンサーはアシュリー・ボーダー、タイラー・ぺック、テイラー・アングル、アマール・ラマサール、マリア・コウロスキー、テレサ・ライヒェルン、ゴンサロ・ガルシア、ジョナサン・スタフォードです。
マーク・ハッペルの衣装がとてもステキで、女性はフリルの付いた黒い短い段々スカートのようなカッコいいドレスでした。音楽は静かでゆっくりなところからテンポが速いところもあり、ドラマティックに盛り上がるところもあり、音楽の構成が起承転結があってバラエティに富んでいました。ビゴンゼッティとコラボレーションすることの多いモレッティの音楽がとても良くて効果的でした。
数名ずつ入れ替わっていくところが多く、振付は速いリズムで揃っていりところがとてもきれいでした。男女のパ・ド・ドゥでは、女性がシェネで近づいて男性が女性を遠心力を使って回転させていて、現代的な面白いものでした。
(2010年9月24日夜、David H. KochTheaterにて)

Photo: (C) Paul Kolnik
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