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『放蕩息子』『ファンシーフリー』『火の鳥』NYCBのショートストーリー集

New York City Ballet
ニューヨーク・シティー・バレエ
Jerome Robbins, George Balanchine "Short Stories"
ジェローム・ロビンズ、ジョージバランシン「ショート・ストーリーズ」

『放蕩息子』『ファンシ1月16日に公演を観ました。3つの短い作品が上演されました。
一つ目は『ファンシー・フリー』です。音楽はレナード・バーンスタイン作曲のものです。振付はジェローム・ロビンズ。初演は1944年4月です。
出演したのは、バーテンダーはジャスティン・ぺック、3人のセーラーマンたちはテイラー・アングル、ロバート・フェアチャイルド、ダニエル・ウルブリヒト。3人の通りがかりの女性はタイラー・ぺック他です。
ニューヨークの街と夜のバーが舞台で、ミュージカルのような演劇の要素が多い作品でした。夜の街にくりだした3人のセーラーマンたちが、通りがかりの女性に声をかけて追いかけたり、バーに誘って飲んだりします。3人の女性が、次々に通りがかったときに順番に声をかけられていきました。ソロやパ・ド・ドゥもあり、全体を通してシアター・ダンスのような踊りでした。楽しくて明るい作品です。客席は最後まで、みんなワハハと大笑いして受けていました。

『放蕩息子』に出演したのは、放蕩息子はホアキン・デ・ルース、海の精霊シレーンはマリア・コウロスキー、父はアスク・ラ・コール、放蕩息子のしもべたちはアントニオ・カルメナ、シーン・スオッジです。音楽はセルゲイ・プロコフィエフ、振付はジョージ・バランシンです。
聖書のルカ福音書15章が原作のバレエ作品です。初演は1929年、ディアギレフのロシア・バレエ団です。ニューヨーク・シティ・バレエの初演は1950年です。この作品も以前にレポートしたことがあります。
父の財産を譲り受けた息子がうちを出て行き放蕩の限りを尽くして、財産を使い果たしてボロボロになって家に帰ってくると、父親は黙って息子を見つけて近寄って抱きしめます。「許すこと」がテーマです。
海の精のシレーンが、衣装もエキゾチックで手足が長く美しくて、カッコよかったです。息子はシレーンに誘惑されてしまいました。
最後は息子はボロボロになって帰ってきて、はいつくばって前に進もうとして立とうとしても無理でした。老人の父親がでてきて、息子を抱きかかえて去っていきました。

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3作目の『火の鳥』は、ストラヴィンスキーの音楽でジョージ・バランシンとジェローム・ロビンズの振付です。
出演したのは、ファイアー・バード(火の鳥)はアシュリー・ボーダー、イヴァン王子はジョナサン・スタフォード、王子のブライドはレベッカ・クローンです。これも以前レポートしたことがあります。
ニューヨーク・シティ・バレエの“火の鳥”の舞台セットと衣装は、ロシアの偉大な画家シャガールによるものです。今でもそれをすべて再現して上演を続けられています。舞台セットがシャガールなので、舞台全体がおとぎ話の国に行ったみたいに幻想的で素晴らしいです。
火の鳥は燃えるような赤いチュチュを着ていて、情熱的な踊りをします。この火の鳥の振付が私は特に大好きです。白鳥でも黒鳥でもなく、情熱的で活動的な雰囲気の激しさを感じられる踊りをします。とても見ごたえがあり、目に焼きつく素晴らしいシーンです。
( 2010年1月16日 リンカーンセンター、デビッド・H・コッチ・シアター)