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マーティンス&アダムスの作品とバランシンの『フー・ケアーズ?』

New York City Ballet
ニューヨーク・シティ・バレエ
Peter Martins “Naïve and Sentimental Music”
ピーター・マーティンス『ナイーブ&センティメンタル・ミュージック』
George Balanchine“Who Cares ?”
ジョージ・バランシン『フー・ケアーズ?』

1月9日夜、ニューヨーク・シティ・バレエの2つの小品集を観に行きました。
最初は『ナイーブ&センティメンタル・ミュージック』で、現代作曲家のジョン・アダムスのクラシカルな音楽、ピーター・マーティンス振付です。初演は2009年11月24日です。
これはジョン・アダムスの音楽がとても素晴らしく、ダンサーたちもプリンシパルとソリストが踊り、レベルが高く、見応えがありました。振付はピーター・マーティンスらしく、クラシック・バレエをベースにしたものですが現代的な印象を受けました。

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3つのシーンから構成されていて、初めの「ナイーブ&センティメンタル・ミュージック」は、ジェニファー・リンジャー、イボンヌ・ボーリー、ジェニー・ソモギ、フィリップ・ニール、セバスチャン・マルコヴィッチ、アドリアン・ダンチヒ=ワリング、ジャニー・テイラー、アビー・スタフォード、アシュリー・ボーダー、メーガン・フェアチャイルド、ジャレド・アングル、ダニエル・ウルブリヒト、アンドリュー・ヴィエット、ホアキン・デ・ルースが踊りました。
男性2名、女性2名など数名ずつ踊り、だんだん人数が増えたりして重なっていくところが多かったですが、ときどきパ・ド・ドゥもありました。男性が女性をリフトで抱きかかえたまま去るところもステキでした。
男性7名でリズムのないようなモダンな速い音楽で、激しい踊りのシーンもありました。そして次々に男女のペアが1組、2組など入れ替わっていき重なって踊りが展開していきました。速いリズムで、シェネやピルエットなど回転が多く、ピルエットとアラベスクを繰り返していくところがありました。前のペアが中心で踊り、後ろの2組は背景の一部のように地味で静かな踊りをしているシーンも印象的でした。

次の「マザー・オブ・ザ・マン」は、サラ・メアンズ、ダーシー・キスラー、マリア・コウロスキー、ジョナサン・スタフォード、チャールズ・アスケガルド、スティーブン・ハンナが踊りました。男女ペアでリフトを多用した踊りが多かったです。中心のペアの周りで、後ろは照明がほとんど当たらず舞台背景の一部のような感じで2組が踊っていたところが印象的でした。

3番目の「チェイン・トゥー・ザ・リズム」は、スターリング・ヒルティン、タイラー・ペック、テレサ・ライヒェルン、ロバート・フェアチャイルド、テイラー・アングル、ゴンザロ・ガルシアが踊りました。速い音楽で、軽快なモダンな振付でした。少しラテンぽいところもありました。リフトでは女性を上に挙げて縦に女性の身体を回転させたりする難度が高い技でした。

フィナーレでは全員がでてきて、大勢でグランバットマンをして迫力がありました。最後はみんな対角線状に並んで、男性が女性を支えて女性が足を開いてポーズを決めて、そこでパッと照明が消えて終わりました。とても美しかったです。

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『フー・ケアーズ?』は1970年の作品で、ジョージ・ガーシュインの音楽、ジョージ・バランシンの振付です。スターリング・ヒルティン、タイラー・ペック、アナ・ソフィア・シェラー、ロバート・フェアチャイルドが主な登場人物で、他のダンサーたちも大勢出てきました。
背景はニューヨークの摩天楼で、パーティ風、ミュージカル仕立てのシアターダンスのような作品でした。楽しそうな明るい踊りです。ミュージカルっぽいですが、全員バレエの基礎がしっかりした素晴らしいダンサーたちが踊っているので、ちゃんと見応えがある踊りで、見ていて安心感と余裕がありました。
ピルエットなど回転も多かったです。リフトで女性が足を上げたまま男性が抱えて、くるくると回りながら去っていったところも印象的でした。

全体に明るく、軽やかで楽しい感じの作品でした。最後は壮大なフィナーレで全員で、大迫力の踊りでした。みんな立てひざでいっせいに座って、パッとライトが消えて終わり、決まっていました。すごい拍手でした。
(2010年1月9日夜、リンカーンセンター、デビッド・H・コッチ・シアター)