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幻想的で音楽が豊かに響いたバランシンの『真夏の夜の夢』

New York City Ballet
ニューヨーク・シティ・バレエ
Grorge Balanchine “A Midsummer Night`s Dream”
『真夏の夜の夢』
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ジョージ・バランシン振付のニューヨーク・シティ・バレエ『真夏の夜の夢』の公演を、1月6日に観ました。この公演はレポートしたことがあるのでストーリーの詳細は省略しますが、いつも豪華絢爛な凝った舞台セットで、音楽もオーケストラの生演奏ですし、迫力があり、まるで絵本の中のおとぎの国に行ったみたいな気分になります。照明もとても美しいです。原作はシェイクスピアの喜劇形式の戯曲で、メンデルスゾーン作曲の音楽です。ときどきオペラの歌も入っていて、すばらしかったです。

おもな登場人物のキャスティングは、妖精の王オーベロンにホアキン・デ・ルース、女王タイターニアはマリア・コウロスキー、パックはダニエル・ウルブリヒト、2組の貴族の男女カップルのヘレナはレベッカ・クローン、ハーミアはジェニー・ソモギ、ライサンダーはジョナサン・スタフォード、ディミートリアスはセバスチャン・マルコヴィッチ、ボトムはヘンリー・セス、アセンズ公シーシアスは、バタフライはエリカ・ペレイラです。いたずら好きであわて者の妖精のパックが、全体を通してコミカルな演技で味があり、目立っていました。

第一幕はアセンズ(アテネ)近郊の森の中、真夏の夜のシーンです。背景は大きな葉っぱがからまり木々が生えている森の奥深くの舞台セットで、照明も暗く幻想的でした。背中に小さな羽がついたカラフルで可愛らしい衣装を着た子供たちが大勢、妖精の役をしていて絵になっていました。第一幕は全体を通して演劇の要素が強かったです。タイターニアのソロやバタフライや妖精たちも踊り、歌と合っていてとても優雅で美しく、鳥肌が立ちました。オーベロンたちも、妖精らしく早いリズムで細かい動きで軽やかに踊りました。
パックが間違えて恋の媚薬をつけたため、あべこべに取り替えられてしまった2組の貴族のカップルたちは、男性たちが喧嘩になり、グランフェッテ8回転や大ジャンプなど大技を入れて激しく踊りました。

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ロバの姿に変えられてしまったボトムは、肩から上に大きなロバの頭のかぶりものをしていました。
最後はオベロンとタイターニアも男女2組も元に戻り、ロバもボトムに戻って、仲良く帰って行き幕を閉じました。最後も美しいシーンで、客席が拍手で包まれました。

第二幕はアセンズ公シーシアスの結婚式のシーンです。ハッピーエンドで舞踏会のシーンです。
ウェンディ・ウィーランとフィリップ・二―ルがパ・ド・ドゥで踊り、静かな曲にのって優雅で、圧倒的でした。大技も披露しました。この踊りがこの作品で一番盛り上がったシーンです。
アスク・ラ・コールとテレサ・ライヒェルンが中央で、周りはたくさんの妖精たちも踊りました。
そして辺りは暗闇になり、蛍の光がたくさんでてきて動き、パックがパッセをしたまま空中に浮いて、そのまま上に飛んでいき、その下にはたくさんの白い羽のついた妖精たちと子供たちのカラフルな妖精たちがいるところで幕が下りました。とても美しくて目に焼きついたシーンでした。感動的でした。
(2010年1月6日 リンカーンセンター、デビッド・H・コッチ・シアター)