ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From New York <ニューヨーク>: 最新の記事

From New York <ニューヨーク>: 月別アーカイブ

モミックスの『マインド・ペンディング・ボディーズ』

 5月22日から6月10日まで、ジョイスシアターで、モミックスの公演がありました。
『マインド・ベンディング・ボディーズ!』という公演です。このカンパニーは以前のレポートでもお届けしましたが、とっても面白くて、照明が独特で、ダンスの枠に留まらないアーティスティックな演出をするので、私はファンです。この公演はとても楽しみにしていました。見逃したくない公演です。ジョイスシアターでも大人気でチケットが取りにくいので、通常のカンパニーは1週間公演が基本なのに、異例の3週間公演でした。人気のほどがうかがい知れます。

 モーゼス・ペンドゥルトンが自らのカンパニーとして80年代初頭に創立し、84年から芸術監督になりました。カンパニーは25年続いています。「ダンサー・イリュージョニスト」のカンパニーだと自らを呼んでいます。すごく独特な世界を持っていて、個性的で面白いです。他のカンパニーに似ていません。

 モーゼスはアメリカ人で、30年以上のダンサーとしてのキャリアがあり、もともとは71年にピロボラス(こちらもアメリカで大人気のカンパニーです)の創立メンバーでした。彼はまだ生きているので、現代の振付家の作品として、今現在の私達が観てもとても共感できます。まだ今が旬のダンスカンパニーだと思いますので、おすすめです。

 私の個人的な印象ですが、コンテンポラリーダンスの振付作品で、振付家自身がとっくに亡くなっている作品は、今観るとどこか古臭く感じてしまい、共感しにくいのです。その当時は時代に合っていて新鮮だったのかもしれませんが、ものすごく古いコンテンポラリー作品は、今観ると、今の時代にはマッチしていないように感じます。振付家にとっての作品とは、その時々の時代の空気や、目に見えない風潮を無意識で感じて取り入れて作品化されているのでしょう。コンテンポラリーダンスはその時代と共に生きていて、同じ時代の人にメッセージを送り、朽ち果て、また時代が変わったら新しい振付家と作品が次々に出てきて、次々にどんどん入れ替わっていくものなのでしょう。

 さて、今回のプログラムは、今までのモミックスの集大成のような、過去の名作の小品集でした。13の作品が上演されました。彼らの照明の使い方は独特で、ブラックライトを使って、客席からはダンサーたちの姿が見えずに衣装だけが白く浮き上がって見えたり、うすいスクリーンを手前に張って、そこに映像を映しながら奥でダンサーたちが踊ったり消えたり、手前に不透明の白いスクリーンを張って、向こうでダンサーたちが影絵となって踊って、すごく小さな小人になったり巨人になったりなどなど、面白かったです。

巨大なおわんのようなものの中にセクシーな衣装を実につけた女性が入っていて、それがぐるぐるとずっと回転し続けて、彼女が座ったまま真ん中でくねくねと手や上半身を動かし続け、その周りで男女のダンサー達が踊るものも面白かったです。宇宙服のような全身タイツに身を包んで、スキー板を足に固定させたまま男女がパフォーマンスするものもありました。