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●『太平洋序曲』がトニー賞ノミネートされて、宮本亜門が記者会見

 6月5日の夜に、アメリカのミュージカル界最高の栄誉ある賞であるトニー賞(第59回)の発表と受賞式が、ニューヨークのラジオシティー・ミュージックホールで開かれました。 宮本亜門演出の『太平洋序曲』は、リバイバル・ミュージカル賞、コスチューム・デザイン賞(コシノ・ジュンコ)、セット・デザイン賞(松井るみ)、 オーケストレーション賞(ジョナサン・チューニック)にノミネートされていましたが、惜しくも受賞は逃しました。 リバイバル・ミュージカル賞は、『ラ・カージュ・オ・フォール』が受賞しました。ブロードウェイ・ミュージカルで、日本人が演出した作品がトニー賞に4部門ノミネートされたのは、初めての快挙です。

 同日午後に、受賞式の前に、トライベッカのレストラン「MEGU」にて、宮本亜門、コシノ・ジュンコ、松井るみの3名が記者会見をしました。
 プロデューサーの吉井久美子が、「仕込むのに2年かかり、公演が出来ただけで嬉しかったです。5月にCDを出していい記念になって喜んでいます。トニー賞にノミネートされたことはとても嬉しいです。」と挨拶しました。

宮本亜門は、「10代からトニー賞にかかわってみたいという夢がありました。今回のノミネートは、ラッキーだったということが一つ、そしてトニー賞はその年にどんな作品とぶつかるかがカギで、今年はリバイバルでそれほど多くの作品がなかったということがあります。 アメリカ的な分かりやすいストーリーとは違って、この作品は分かりにくいストーリーで予測できない展開なのにノミネートされ、アメリカは許容範囲が広いなと思いました。 日本の文化は知られていませんでしたが、3人ともコストダウンしながらどう見せていくかというところが問題で、勝負でした。 日本人であること、歴史と向かい合うことになり、 日本はすごいなと、改めて思いました。今まではブロードウェイは憧れだったのに、今日から自分もそのメンバーになったつもりです。 これからは日本について伝えていかなければなりません。自分が育ってきて身につけてきたものは素晴らしいし、世界に向けて教えてあげることがたくさんあると思います。 世界の人と対等な立場で、喧嘩も対等に、やっていきたいです。今回はリバイバル作品でしたが、いつかはオリジナル作品を上演したいです。 これがスタートで、これからどんどん開くぞという感じです。」と語りました。

コシノ・ジュンコは、「トニー賞という華やかな所に日本人がいることは、ペリーがやってきてから、やっと新しい港から新しい船が出たなということです。 ノミネートされただけで十分です。ファッション・ショーを通じて世界がありましたが、舞台衣装の仕事はすべて日本でした。 今回、ブロードウェイでやって、初めて世界に行ったな、また世界が開けるなと思いました。日本の歴史を目で、衣装で分かりやすく伝えることが楽しかったです。」と語りました。

松井るみは、「予想していたことより、10倍以上大変でした。山のように問題がありました。オープニングの時に、ブロードウェイは大変だ、これは越えられないということを感じましたが、今回のことで次の仕事につながるかもしれないという期待を持ちました。」と語りました。