ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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 ニューヨークはまだまだ寒いです。先週も雪が降って積もりました。寒い時はマイナス20度以下になります。冬は寒すぎて人間が住むのに適していないような場所なのに、どうしてニューヨークはこんなに人が集まってきて大都会になったのでしょうね。さて、今月は、日本から「コンドルズ」が公演に来ていました。これは面白かったです。観客のアメリカ人達は大笑いしていたので、海外でも人気が出るかもしれませんね。

●ラ・ラ・ラ・ヒューマンステップスの『アメリア』

 2月1日から5日まで、ブルックリンのBAMで、カナダのカンパニー、ラ・ラ・ラ・ヒューマンステップスによる『アメリア』の公演が行われました。振付、芸術監督はエドゥアルド・ロックです。この作品は、彼が18歳の頃の知人であったエミリーというトラベスティー(女装者)についての記憶をもとに作られたものです。彼は彼自身を、アメリアと名乗っていました。彼の家は、複雑に入り組んだたくさんのスクリーンで飾られていたそうです。

 北欧っぽい音楽の生演奏でした。ピアノ、チェロ、ヴァイオリン、ささやくようなヴォーカル(女性)です。途中休憩なしの、ノンストップの作品でした。振付はとても個性的で、今までに観たことのあるどの作品にも似ていませんでした。ハモっているような静かなヴォーカルが、とても幻想的な空間を作っていました。女性の衣装は、半そでとタートルネックの、シースルーの黒っぽいレオタード、男性は黒っぽいパンツとカッターシャツの場面が多かったです。舞台は全体に暗く、明かりはダンサーだけに照らされたハイライトのみで、まるで明暗法の絵画のようでした。舞台装置はシンプルでカッコいいデザインで、途中、細かい模様の入った舞台前面を覆う薄い膜のようなものが上から垂れてきて、ダンサー達はその向こうに透けて見えました。また、大きなスクリーンが途中で上から降りてくることがあり、そこには、女性ダンサーの映像をコンピューターで処理した人形のような顔が映っていて、実際の女性ダンサーと映像の人形のイメージと重なり合っていました。これは、芸術監督のコメントによると、デジタルの操り人形のような映像を作ったそうです。エミリーを操り人形師だったととらえて表現しています。

 振付は、無表情な踊りが最初から最後まで続きました。男女ペアで踊るシーンが多く、女性は男性に腰を支えられて、ヒザを伸ばしたままポイントで立ち、両足や片足を軸にしてグルグルと回っていることがほとんどでした。足を大きく上げることはなく、足の先を少し上げるだけの動きが多かったです。手もあまり動かしませんでした。リズムは早い動きの振付です。機械的で一本調子な踊りが続きました。

 途中、男性用のスーツを着た女性バレリーナが出て来てトウシューズで踊ったり、スーツの男性バレリーナが女性用のトウシューズで踊るシーンもありました。オルゴールの人形のような、またはパントマイムのようなイメージの踊りでした。