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●ガース・フェイガン・ダンスの小品集

11月16日から21日まで、ジョイス・シアターにてガース・フェイガン・ダンスの公演が行われました。これは、去年観てとても良かったので、今年も逃さずに観にいきました。私が観たものは、プログラムAです。
ガース・フェイガン・ダンスは34周年を迎えました。ガース・フェイガンは、「本物のオリジナル」、「本物のリーダー」、「アメリカンダンスの偉大なリフォーマーの一人」などと呼ばれて来ました。彼独自のモダン・ダンスの振付を作り出しました。その踊りは、黒人的な大地に根ざした感覚を感じさせるような、リズム感にあふれるもので、それにモダン・ダンスの要素が加わって洗練されたものです。アフロ・カリビアンの動きとエネルギーを取り入れています。最近の活躍には、1998年にト二―賞を受賞したウォルト・ディズニーの『ライオン・キング』の振付があります。

さて、公演は4つの小品集でした。すべてガ―ス・フェイガンの振付によるものです。『プレリュード』は、1981年の作品で、とても良かったです。衣装はレオタードとタイツです。最初は音無しで始まり、黒人男性のソロで、ゆっくりと空を飛んでいるような感じの振付です。他の男性ダンサーや女性達も出てきて、ピアノ曲が始まると、全員がウォームアップのような動きをしていました。
途中からジャジーでリズムの速いバイブの音楽に変わり、舞台の上手下手から対角線上に、交互にダンサー達が次々に速いスピードで踊りながら通り過ぎていきました。振付は全て、黒人的でした。リズム感にあふれていて土着的で、くり返しの動きが多かったです。例えば、2小節分でワンセットの動きで、「シェネの右回り、左回り、倍の速度で右回り4回」を続けながら進んでいく、などです。両手も脇を開けないでぶらぶらさせていました。また、左右に身体をねじったり、両肩を閉じたり開けたり、胸をブルブル震わせたりしていました。スピード感があって、迫力がありました。

『トリップス・アンド・トリースツ』は、2000年の作品です。右手を斜め上に伸ばし、手のひらを広げて、頭も横に向けて、そのままの姿勢で、1番ポジションでグラン・プリエをゆっくりした後、右手を下につきながら左足を後ろに上げる動作のくり返しが多かったです。基本はバレエっぽいのですがなぜか土着的な感じが出ているので、この振付の動きが印象に残っています。
『・・・ing』は、初演作品です。これも独特な振付でした。バロック調のブラームスのストリングスの曲です。男女ペアたちが次第に仲良くなり、たわむれるところから始まります。数組の男女ペアが繰り広げる、何か物語性を感じさせるような構成でした。
『トランスレーション・トランジション』は、2002年の作品です。パーカッシヴなリズムの速い激しい曲を使っていました。ゆっくりした振付だったのに急に速く激しく動いたり、そういうくり返しで、メリハリがとても激しい踊りでした。全体に、とても自然な、身体の中から湧き出てくるような振付で、素晴らしかったです。