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●バレエ・プレルジョカージュのBAM公演

 11月3日から6日まで、BAMにてBallet プレルジョカージュの『ニアー・ライフ・エキスペリエンス』の公演がありました。ブルックリンにあるBAMまで行くのは遠いのですが、良い公演がたくさん来るので、ダンスの公演があればできる限り観に行くようにしています。振付とシーンは、すべてアンジェラン・プレルジョイカージュによるものです。ダンサーは11名で、日本人のシライ・ナギサさんも出演していました。
プレルジョカージュはアルバニア人の両親のもとに生まれ、クラシック・バレエを学んだ後コンテンポラリーに転向、フランスをはじめ様々な国で学びました。日本でお能も学んでいます。

この作品で彼は、身体の中間の感覚に結びついている、身体の様々な違う箇所を探求しているとのことです。身体の中間の感覚というのは、エクスタシーなど身体の内部の感覚のことだそうです。その感覚の経験を、観客と共有しようとしているのでしょう。休憩無しのノンストップ公演でした。
赤いボールをいくつも使ったり、バレーボールくらいの大きさのシャボン玉のようなガラスの玉を使って振付をしていて、不思議な感じの空間になっていました。裸足で、衣装も舞台装置も非常にシンプルです。ゆっくりした音楽が流れているかと思うと、急に激しいエレクトロニックの音楽が流れてバラバラにうごめいたりしていました。
音が急に止まると、1人の女性が、男性3人に囲まれて、その中から逃げ出そうとしてはつかまえられてしまうというスローモーションの動作のくり返しが続き、やがてそのなかにもう一人の女性が加わり、2人が3人の男性から逃れようともがいていました。これは、とても印象的な振付でした。
寝転がっている人たちがただけいれんしていたり、女性4人の中から赤い毛糸が引っ張り出され、それを男性4人と共に踊りながらひっかけたりして、大きなあや取りのような動きもしていました。

最後の幕の閉じ方もとても印象的で変わっていました。男女ペア4組が、お互いに背中合わせになって体重をかけてうごいていました。そこに巨大な赤い毛糸球が出てきて、その中から1人の男性(裸体のように見える肌色の下着のみ)が全身頭まで白い泡まみれになっていて、ゆっくりうごめきながら這い出して出てきました。何か新しい生命の誕生の瞬間のような感じだなと思って観ているうちに、そのまま照明も音楽もいきなり、「ブチッ」という音がして、切れて終わりました。