ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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ニューヨークは、随分涼しくなってきて、朝と夜は秋の兆しがあります。今年のニューヨークの夏は、異常気象で涼しかったです。夏は、マンハッタンのあちこちの野外特設会場で、大御所のアーティスト達による音楽やダンスの無料公演が3ヶ月間くらいに渡って、毎年開催されています。9月9から12日には、ダウンタウンのほうで、「イヴニング・スターズ」、ワールド・クラス・ダンス・アト・ザ・バッテリーが開かれています。ここではABTやNYCB, Boston Balletも無料で観ることができるので、この時期にニューヨークにお越しの際には、ぜひ観劇してください。お薦めです。詳しくは、www.rivertorivernyc.comか、www.joyce.orgをご覧下さい。

●インターナショナル・ダンス・フェスティバル・NYC

 7月14日から8月15日まで1ヶ月間に渡って、タイムズスクエアーのザ・デュークにて、インターナショナル・ダンス・フェスティバル・NYCが開催されました。私が観たのは、デペルシス&ダンサーズ、グローリー・ダンスNY、二―ナ・ブイッソン・コンテンポラリー・ムーヴと、マイケル・ミネリーズ「タパホリックス」と、ザ・ターナー・プロジェクトの「アウト・オブ・ウォーター」です。このフェスティバルには、日本人も何人か出演していました。バラエティーに富んだダンスを気軽に観ることができるいい機会でした。

 デペルシス&ダンサーズ、グローリー・ダンスNY、二―ナ・ブイッソン・コンテンポラリー・ムーヴは、1回の公演で3部に分けてそれぞれ短時間ずつの出演でした。デペルシス&ダンサーズは、コンテンポラリーダンスでしたが、ダンサー達は若く、体つきも締まりがなく、物足りなさを拭えませんでした。ダンサーとして、いかに長年鍛錬を積み上げてきたかどうかは、肉体の締まりと筋肉の形を見れば一目瞭然です。素晴らしいダンサーで太っている人は見たことがありません。一流のバレリーナの肉体は、その存在そのものが一つの完成された芸術作品だと思っています。特に最近は、バレリーナの肉体は生きた彫刻作品であるとひらめいて、興味と情熱を持ち、私は写真家として2回目の個展のために、一流バレリーナの写真作品を撮りためていく計画をしていて、少しずつコンタクトを取り始めています。ニューヨークにいるからこそできる活動なので、続けていきたいです。

グローリー・ダンスNYは、現在はアメリカを中心に活動している日本人のヨシムラ・ヒトミさん主宰で、ご本人も、数名の日本人ダンサーも出演していました。

 この日の公演で一番印象に残ったのは、二―ナ・ブイッソン・コンテンポラリー・ムーヴです。振付はどこかで見たようなものが多かったですが、面白い作品でした。情報化社会なので、振付家達は色々な影響を受けているためでしょう。ダンサーのレベルは高い水準で、素晴らしかったです。楽しませていただきました。日本人ダンサーは28名中8名も出演していました。この日本人ダンサーは、ほとんどがニューヨークでダンスを勉強中の学生です。特に、ソロを踊ったタケタニ・ヨウコさん、デュオを踊ったキムラ・カナさんの活躍が目立っていました。日本で10年間プロとして活躍してきた、ダンサー・ミュージカル女優の岡千絵さんも出演していました。彼女は文化庁芸術家派遣制度で選ばれて奨学金を得てニューヨークに滞在中です。彼女も、今後の活躍が楽しみなダンサーです。

マイケル・ミネリーが率いる『タパホリックス』は、タップダンスです。彼が演出・振付をしていて、彼自身も出演していました。彼はマンハッタン・タップのソリストとして世界ツアーに参加してきたほか、様々なカンパニーに振付を提供したり、教師として教えています。彼は26歳と若く、ダンサーも全員若々しかったです。舞台後ろに大きなスクリーンがあり、VJがビデオをミックスしていて、マルチメディアも取り入れていました。タップダンスは、背筋を伸ばして姿勢をまっすぐにする他のダンスと違って、少し肩を前かがみぎみにしてずっと踊っていました。両手はぶらぶらとして、リズムを刻んで踊る時にバランスを取っていました。昔のタップのようなビ・バップの音楽はほんの少ししか登場せず、ファンキーな音楽が多かったです。ジャズ、ディスコ音楽、ロック、ゴスペルなども使っていて、変化してきた現在のタップダンスを垣間見ました。ヒップホップやファンクなど今時のファンキーなタップダンスを他にも観てみたくなりました。いつか他のタップも取材に行ってみようと思っています。観ていると、ついでに私もあの靴を履いてみたくなって、タップをやってみたくなってしまいました。

ザ・ターナー・プロジェクトの『アウト・オブ・ウォーター』は、アマンダ・ターナーが演出、振付をしており、ご本人も出演しています。彼女はもともと、イスラエル・ナショナル・バレエのソリストで、他にも様々なバレエ団に参加してきました。ブロードウェイ・ミュージカル『オペラ座の怪人』のソリストを務めたり、『美女と野獣』などにも出演しています。現在は彼女自身のカンパニー、ザ・ターナー・プロジェクトを主宰しています。彼女は、さすがに表現力があってとても上手でした。出演したダンサーもレベルが高かったです。ボーカリストが出てきて歌うシーンが時々ありました。第一部はタンゴやラテン音楽やブルースに乗った、ラテン系のセクシーな振付でした。彼女はきっと音楽もお好きなようで、選曲が良かったので驚きました。私も大ファンであるドクター・ジョンの曲が2曲も出てきたので嬉しかったです。第2部はガラッと変わってスピリチュアルな雰囲気の振付でした。