ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From New York <ニューヨーク>: 最新の記事

From New York <ニューヨーク>: 月別アーカイブ

●ダンス・ブラジルのカポエイラとブラジリアン・ダンス

 ダンス・ブラジルの公演が、4月19日から5月2日まで、ジョイスシアターで行われました。今回は27周年をむかえ、特別に2週間公演です。 1977年にへロン・ヴィエイラによってニューヨーク・シティーで創立されました。現在の芸術監督も彼が務めます。1980年にはアルヴィン・エイリーが芸術監督として参加しています。

 4名のミュージシャン(ギター、キーボード、パーカッション2名)が舞台左下の陰で生演奏していて迫力がありました。カポエイラという、ブラジルの奴隷の格闘と遊戯が起源の激しいダンスと、ブラジリアン・ダンスが混ざっていて圧巻でした。ほとんどのダンサーが、ブラジルのバイーア地方(黒人のコミュニティー)出身です。ダンサーに混じって、3名はカポエイリスタでした。

 私が今回観たものは、『アンジョー・デ・ルーア』(初演)、『エレウセール』(2001)、『ミッサーオ』(2003)の3作品です。『アンジョー・デ・ルーア』は、明るく陽気なブラジリアン・サンバが主な振付の、ダンス作品でした。これは、4人くらいの男性はカポエイラ出身なので、踊り方がぎこちなかったです。カポエイラは基本的に、格闘技からダンスに変化していったものなので、基本的な姿勢が方を内側に向ける構えだからです。男性達の踊りは飛び蹴り、回し蹴りのようなとてもダイナミックな振付が多かったです。女性達は、お尻を左右左、右左右と3拍ずつ振るサンバステップが多かったです。

 『エレウセール』は、マティアス・サンティアゴという男性ダンサーのソロで、彼自身の振付によります。これは鳥肌が立ちました。圧巻です。簡単そうな動作ですが、メリハリがあり、流れるように関節の開け閉めと筋肉の動きがなめらかにつながっていました。客席は息を呑んで、静まり返っていました。難しい動きではないし、激しく早い踊りでもなく、寝転んでいる姿勢から始まる静かな踊りですが、なめらかにはなかなか出来ない踊りです。彼は稀に見る素晴らしいダンサーです。今後の活躍が楽しみです。



ダンス・ブラジル
 『ミッサーオ』は、お待ち兼ねのカポエイラ・ダンスでした。男性達は、カポエイらをする時に履く白いピッタリしたズボンを着ていました。ここでは、カポエイリスタの3人は、ダンスと打って変わって、自分の得意分野で大活躍でした。皆、幼少時からカポエイラを始めた、バイーア出身の人達です。さすが本場仕込みの本物でした。5拍子や、6/12拍子のアフリカン・リズムの音楽が主で、パーカッションだけの音に乗っての2名ずつ組になってバトルをくり返すカポエイラは、まるで蝶のように舞い、クルクルと円を描いて回し蹴りを5回くらいくり返したり、迫力満点でした。バック宙、バック転もでてきました。女性達も出てきました。最後は4名の男性が再び激しいカポエイラを披露して、終わりました。