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●リヨン・オペラ・バレエのフィリップ・ドゥクフレ作品

 フランスから来たリヨン・オペラ・バレエの『トリコデックス』公演が、4月20日から24日まで、BAMで行われました。1969年創立のカンパニーです。若い日本人ダンサーのユウ・オタガキさんが出演していました。芸術監督はヨルゴス・ロウコス。マルチメディア・ダンスの振付はフィリップ・ドゥクフレ。25名以上のクラシック・バレエのトレーニングを受けてきたダンサー達と、150着以上の衣装、大掛かりな舞台装置を使った、豪華な舞台です。振付家のフィリップ・ドゥクフレは、パリ生まれのダンサー、振付家、映像作家で、ミュージックビデオ作品や1992年のフランス・アルベールヴィルで行われた冬季オリンピックのオープニングとクロージング・セレモニーのステージを作ったことで知られています。

 今回の`『トリコデックス』は、彼自身のカンパニーDCAが上演した作品『コーデックス』(1987)、『デコーデックス』(1995)を合わせて完成される、3部作の最後に当たります。これらの3部作は、「コデックス・セラフィニアーヌス」という、イタリア人アーティスト・ルイジ・セラフィーニによる、400ページにも渡る空想的な百科事典にインスパイヤされた作品です。セラフィーニは、1981年にこの百科事典の初版を出版しました。すべて実際にはこの世に存在しない動物や植物や昆虫を、自分の空想で作り出したものばかりです。フィリップ・ドゥクフレは、これらの空想の生物に命を吹き込んで連れてきて、サーカスの世界とビジュアル・アート、ダンスを混ぜて舞台を創り上げました。


リヨン・オペラ・バレエ
<トリコデックス>


 3人の足のヒラが巨大で頭にお皿のある河童のような生物が立っているところから舞台が始まります。これは猫背で、足をペタンペタン鳴らしながら走る生物で、たくさん出て来ました。頭頂に長いしなる棒のような、アンコウのチョウチンのようなものをつけた生物も出て来ました。空気を入れた風船のようなものを着た、肥満体の生物や、芝生のようなスカートを着た植物、原始人など、色々な奇想天外な生物が続々とでてきて、1時間余り、ノンストップのステージでした。上下に伸び縮みするひもを頭に付けて、バレリーナが空中に浮きながら踊ったり、足を球の薄い切れ端の上に付いた台に足を固定したダンサーが出てきて、胴体を伸ばしたまま、グルグルと前後左右に倒れるようにスレスレに揺れたり、大勢が大きな額縁の周りにある空中に配置された機械に乗りながら踊りました。サーカスのようなシーンでした。音楽も現代風のものでした。

リヨン・オペラ・バレエ
<トリコデックス>

リヨン・オペラ・バレエ
<トリコデックス>