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アンジェラ・加瀬 text by Angela Kase 
[2014.03.10]

佐久間奈緒、厚地康雄、平田桃子、渕上礼奈ほかの日本人ダンサーが活躍した『眠れる森の美女』

Birmingham Royal Ballet バーミンガム・ロイヤル・バレエ
"The Sleeping Beauty" Choreographed by Marius Petipa, Peter Wright
『眠れる森の美女』ピーター・ライト、マリウス・プティパ振付

9月25日シーズン初日に『眠れる森の美女』を主演したのは佐久間奈緒とツァオ・チー。バレエ団側は10月17日のロンドン公演初日にはジェナ・ロバーツとイアン・マッケイ組を配役し、首都の批評家に2人のお披露目をしようとしたのだが、著名批評家のほとんどはバレエ団のゴールデン・ペアである佐久間とツァオが踊る2日目の18日を希望。ロンドン公演の会場であるサドラーズ・ウェルズ劇場に集まった。

london1403b03.jpg Photo/Angela Kase

佐久間は夏以来足を悪くしており故障を押しての主演であったが、観る者には一切そのような事情を悟らせぬ堂々たるパフォーマンス。ツァオ・チーと共に華麗な演舞で2人の主演公演を希望した著名批評家たちやロンドンの観客を、古典作品中最も華美なこの作品のロココの世界に誘った。
今シーズンより新国立劇場バレエからBRBに復帰したファースト・アーティストの厚地康雄は、10月19日(土)に青い鳥を踊り、セリーヌ・ギッテンズを相手役にロンドンの観客にダンサーとして大きく成長した姿を印象付けた。
ロンドン公演千秋楽の19日(土)夜は、ナターシャ・オートレッドとセザール・モラーレスが主役をつとめ、プリンシパルの佐久間奈緒と2010年のユース・アメリカ・グランプリのグランプリ受賞者でファースト・アーティストのウィリアム・ブレイスウェルが青い鳥のパ・ド・ドゥを踊った。
佐久間とブレイスウェルの青い鳥のパ・ド・ドゥは、2人の容姿の良さや技量、舞台上の存在感の大きさも相まって、観客に主役の2人を忘れさせてしまうほどの充実があり忘れがたい。
美意識高くロマンティックなライト版『眠れる森の美女』は、容姿と演舞に優れたダンサーが多いBRB新シーズン開幕作品やロンドンや海外公演上演作品としてたいへんふさわしい。
日本人ダンサーは平田桃子がバーミンガムやプリマスでオーロラ姫を主演、他の公演地ではフロリナ王女を、渕上礼奈がリラの精のお付と3幕の美女と野獣の美女を、2010年のローザンヌ・コンクールのスカラシップ賞受賞者で1年の契約書を手に入れ、今シーズンBRBと活動を共にしている佐々木万璃子は宮廷の貴婦人として舞台に登場、入団2年目の水谷実喜はプロローグで謙虚さの精、3幕のパ・ド・カトルを踊るなど活躍した。たくさんの登場人物を必要とするこのバレエには、バレエ団の提携校であるエルムハースト・スクールの上級生も一部出演し、日本人留学生、村石裕仁は3幕でシンデレラの王子を日英ハーフのディーン・ラシュトンもエキストラとして舞台に立った。
(2013年10月17~19日 ロンドン サドラーズ・ウェルズ劇場。9月24日の最終ドレス・リハーサルを撮影 サルフォード ローリー劇場)

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Photo/Angela Kase(すべて)