ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From London <ロンドン>: 最新の記事

From London <ロンドン>: 月別アーカイブ

船引怜美 Text by Remi Funabiki 
[2005.01.10]

●イギリス・ダンス雑誌、ダンス・ヨーロッパ 熊川哲也 巻頭インタヴュー

イギリスの月刊ダンス雑誌「ダンス・ヨーロッパ」最新号2005年1月号の表紙、巻頭特集を熊川哲也が飾っています。 Kバレエ・カンパニー、熊川哲也プロダクション『ドン・キホーテ』の公演写真、熊川のインタヴューが掲載されています。 1998年突如としてロイヤル・バレエ(RB)を去り、Kバレエ・カンパニーを設立。 その後ロイヤル・オペラ・ハウスでの特別公演(アンソニー・ダウエル記念ガラや2003年4月のヌレエフ記念プログラム)で何度か彼の姿を観ることはできましたが、 イギリスのダンスファンは「彼は一体、いま何をしているのだろう?」と疑問に思っているのかもしれません。

ダンス・ヨーロッパ編集長のエマ・マニングとのインタヴューでは生い立ちからロイヤル・バレエ学校入学への経緯、ロンドンの第一印象、 Kバレエ・カンパニーと今回の『ドン・キホーテ』プロデュースについて語られました。 ロンドンの第一印象は「雨ばかりで暗くて、食べ物はあんまり美味しくないし…」と熊川にとってあまりいいものではなかったようですが、 イギリスでの経験を振り返り、「すばらしいバレエの歴史を持つ国でキャリアを積むことができたこと、そしてその歴史の一部になることができたことは、本当にうれしい」と、 RB初の東洋人ダンサー/プリンシパルとして過ごしたイギリスでの日々を振り返っています。 1989年ブロンズ・アイドル(マカロワ版『ラ・バヤデール』)での衝撃デビュー(当時16歳)は、RB/イギリス・バレエの歴史を変えた瞬間だったことは間違いありません。

「ドン・キは自分のキャリアを作り上げた特別な作品です。ローザンヌ・コンクール ゴールドメダル、パリ国際コンクール、RBプリンシパル昇格。 とても思い出深い作品で、その素晴らしい思い出をずっと残したいんです」と『ドン・キホーテ』プロデュースにおけるその作品の特別性が語られました。 確かにローザンヌ・コンクール、ローザンヌ・コンクール20周年記念ガラや日本バレエ協会の公演で彼のバジルを観た時の感動は今思い出しても鳥肌が立つほど。 しかし熊川自身昔のVTRを見返して、「技術的なことはできたけど、役作りとしては全然。とてもアマチュアだ」批評しています。 今年32歳となり、ダンサー/芸術監督としてさらなる経験を積んだ今の彼だからこそできる『ドン・キホーテ』、いつかロンドンでその公演が実現する日をとても待ち遠しく思います。 熊川自身ローラン・プティの『若者と死』をいつかロンドンで公演したい演目として挙げています。 2004年7月ニューヨーク・リンカーンセンターでKバレエ・カンパニーとしてのデビューを果たした今、熊川の第2の故郷ロンドンでの公演が実現するのはそんなに遠い日ではないのでしょうか。