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船引怜美 Text by Remi Funabiki 
[2004.12.10]

●バーミンガム・ロイヤル・バレエのロンドン公演『ウェスタン・シンフォニー』『二羽の鳩』

イギリス中部バーミンガムに本拠を置くバーミンガム・ロイヤル・バレエ(BRB)のロンドン公演がサドラーズ・ウェルズで行われ、バランシン/アシュトンのメモリアル・イヤーにちなみ『ウェスタン・シンフォニー』と『二羽の鳩』(10月26・27日)を上演しました。
バランシンの『ウェスタン・シンフォニー』では第4楽章を踊ったアスタ・バゼヴィシュト以外の女性ダンサーには、観ている者を魅了するバランシン・バレエ 特有の女性らしさ(色っぽさ、茶目っ気、生気のよさ)を感じることができませんでした。ステップの鮮明さもいまひとつで、じっと座って入られなくなるよう なバランシン作品特有の興奮とエネルギーに欠けていたことが最も残念でした。

一方7月のニューヨーク、リンカーン・センターのアシュトン・セレブレーションで上演され評価の高かった『二羽の鳩』は、これこそ我らのレパートリーとで も言うべき完成度の高さが見られました。若者の初々しい恋愛を描くアシュトンの名作で主役を演じたのはプリンシパルダンサー佐久間奈緒とロバート・パー カー。佐久間奈緒の非常に正確なテクニックと表現力の豊かさが印象的でした。新聞評では、「素晴らしいアシュトン・ダンサーである」ととても高い評価を受 けていました。青年を演じたロバート・パーカーは悩み苦しむ青年を好演。2幕のソロでは彼のアイドル的な存在感と、目を釘付けにするジャンプとコントロー ル力に魅了されました。全体的にもカンパニー男性ダンサーのテクニックの水準の高さとその安定感が非常に印象的でした。
(2004年10月26日、サドラーズ・ウェルズ劇場、ロンドン)


『ウェスタン・シンフォニー』

『2羽の鳩』