2006年11月に、チャコット渋谷本店で開催した「橘秋子展」が、さらに充実して宇都宮市の栃木県総合文化センター第1ギャラリーで開催される。
橘秋子はいうまでもなく、新国立劇場バレエ団の芸術監督、牧阿佐美の母。ともに宇都宮市出身の夫、牧幹夫とともに、昭和8年に自身のバレエ研究所を開設し、当時一般にはほとんど知られていなかったバレエを日本に花開かせるため、その生涯を捧げた。
橘秋子は優れた創作バレエを創っただけでなく、アレクサンドラ・ダニロワやイゴール・シュベッツォフなどを招聘して西欧の本格的なバレエを日本に紹介し、娘の牧阿佐美をダニロワの元で修行をさせたのを始め、大原永子、森下洋子などの優れたバレリーナを育てた。
また、牧幹夫は舞台にも立ち、当時、世界レベルの舞踊研究に励んでいたが、さらに大きな志を抱いて、1938年にインドのタゴールの元に留学した。折悪しくもインド独立戦争や世界大戦に遭遇したため、帰国できなかったのだが、最近、その活動の端々がいくらか見つけられてきている。今回もその一端が展示される。
日本のバレエが、橘秋子、牧幹夫、牧阿佐美によって大きく前進したことはまぎれもない事実。この橘秋子展では、その偉大な足跡を写真や貴重な資料、舞台衣裳、橘秋子のバレエの復元上演、などで振り返る。
特に、橘秋子の日本を素材とした大作バレエ『飛鳥物語』は、舞台原画や舞台写真を大きく拡大して舞台の雰囲気を再現し、実際に踊った数点衣裳も展示される。
また、7月13日には、牧阿佐美が母、橘紀子について語り、作品を復元して上演するので、見逃すことができない。 |