『エトワール』

  渋谷・文化村で上映されて、大ヒットを記録し、社会現象になったとまで言われた『エトワール』が、ビデオ&DVDになって発売された。
  バレエの殿堂、世界中のバレエダンサーが憧れるパリ・オペラ座。そこは至上の美を舞台に描き出すために、エトワールという最高の称号を頂点とする過酷な階級社会になっている。バレエダンサーとして、日々、繰り広げられる生存競争の有り様をヴィヴィッドに映像が捉える。コリフェやカドリーユといったこれから階段を登ろうとするダンサーから、現在エトワールとして檜舞台で活躍しているルグリ、ル・リッシュ、オーレリー・デュポン、ルテステュ、マルティネスなどのコメントやリハーサル、クラスの姿。ベジャールの『交響曲第9番』、ヌレエフの『白鳥の湖』、ラコット版『ラ・シルフィード』、さらに最近は日本でしばしば振付作品を発表しているピエール・ダルドの『祈り』などの舞台の一部も収録されている。

パリ・オペラ座ヌレエフ振付作品ドキュメンタリー <Dancer's Dream>
『眠れる森の美女』
  1983年から89年までパリ・オペラ座の芸術監督を勤めたルドルフ・ヌレエフは、主に プティパのバレエを時代に合わせて新たに振付けた。踊ったのは、後に「ヌレエフ世 代」と呼ばれて賞賛されるオペラ座の優れたダンサーたちである。ヌレエフは若いダン サーを抜てきし、育てることにも熱心だったのである。

  最初は、クラシック・バレエの最高峰といわれる『眠れる森の美女』。ヌレエフは この作品を、1989年に新たに振付、ガルニエ宮(古くからあるパリ・オペラ座)で上演 した。その後、バスティーユに新オペラ座が完成し、ヌレエフの業績をしのんで彼の振 付による『眠れる森の美女』をここで再演することになった。ヌレエフ縁りの当時の ダンサーたちが集まって、リハーサルが始まる。

  オーロラ姫を踊るエリザベット・プラテール。彼女はヌレエフに抜てきされて オペラ座ダンサーの最高位エトワールに、昇進したバレリーナである。プラテール は『眠れる森の美女』の難しさ、完璧を期すヌレエフのステップの難しさを語る。 とりわけ、「ローズ・アダージョ」についてのコメントは印象的だ。王子を踊るのは 、マニュエル・ルグリ。音楽とステップを微調整するグラン・パ・ド・ドゥのリハ ーサルは、見ごたえ充分の映像が収められている。
  そのほか、キーロフ・バレエ時代のヌレエフのパートナー、クルガプキナの彼に関するコメント、美術、衣装などについても解説する映像が付されている。


<1月22日発売予定>
発売:TDKコア/ビデオ \4,000

『ライモンダ 』
 ヌレエフは83年の9月からオペラ座の芸術監督に就任したが、そのシーズン は彼の『ライモンダ』でガルニエ宮は幕を開けた。このドキュメンタリーでは 、亡命当時の写真から、ヌレエフとフランス文化省の交渉、芸術監督に就任し た際の抱負を語る映像なども収録している。

『ライモンダ』では、ジャン・ド・ブリエンを踊ったマニュエル・ルグリのリハ ーサル風景から本番、コメント、さらには珍しいヌレエフとルグリのツーショッ ト映像もある。一方、アブダ・ラーマンを踊ったのは、ローラン・イレールで、 こちらもリハーサル、本番の映像とともに、彼自身が役つくりについてコメント している。始まりの頃のリハーサルから、練習が重ねられたリハーサル、さらに 本番へと順々に舞台の細部ができあがっていくさまが見られるのも興味深い。

  また『ライモンダ』について、最後期の傑作といわれるプティパの振付、チ ャイコフスキー亡きあとに抜てきされたアレクサンドル・グラズノフの音楽、 プティパと共同で執筆したパシコーワの台本から、オペラ座で上演した際の美 術にいたるまで、あらゆることに触れられている。


<1月22日発売予定>
発売:TDKコア/ビデオ \4,000


(荒部 好)





『エトワール』
(c)Little Bear-Gaia Films-2000
(c)Photo Vincent Tessier-Little Bear-Gaia Films-2001

発売:株式会社キネテック/販売:パイオニアLDC
ビデオ \16,000(税抜)/DVD \4,700(税抜)

 

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