『プロデューサーズ』
ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ユマ・サーマン主演
スーザン・ストローマン監督
トニー賞を史上最多の12部門受賞したブロードウェイ・ミュージカル『プロデューサーズ』が映画化され、ロードショー公開されている。
『プロデューサーズ』のオリジナル版は、1968年にメルブルックスが脚本、監督をつとめて制作した映画である。翌年、ブルックスはこの映画でアカデミー脚本賞を手にしている。2001年には、製作、脚本、作詞作曲メル・ブルックス、演出、振付スーザン・ストローマンのブロードウェイ・ミュージカル『プロデューサーズ』が上演され大ヒットした。
ブロードウェイの落ち目のプロデューサー、マックスのところにやってきた小心者の会計士レオが、ショービズ界で絶対確実に儲かる方法を発見。それは、出資者から製作費を集め、ショーがずっこけて配当金を払わない、つまり儲かる、というもの。プロデューサーになることを夢見ていたレオと金がほしいマックスは、女優を目指すウーラを秘書に雇う。
そして<最低の脚本><最低の演出家><最低の役者>を揃えるべく、行動を開始した・・・。
メル・ブルックスの希望で、映画もスーザン・ストローマンが監督と振付を担当し、映画デビューを果たした。ストローマンの演出は、趣味が洗練されている、というわけにはいかないが、しっかり皮肉の利いたブラックな感覚がちょっと味の濃いエンタテインメントのおもしろさを生んでいる。
レオに扮したマシュー・ブロデリックが、赤ちゃんの時から馴染んできた安心毛布の切れ端を欲しがったり、突如、プロデューサーのマックスのことを「デブ、デブ、デブ!」と喚いたりする屈折した幼児性の演技がおかしく、思わず吹き出してしまった。
『ダンサーの純情』
ムン・グニョン、パク・コニョン主演
パク・ヨンフン監督
韓国では「国民の妹」といわれるムン・グニョンを主演に、『純愛中毒』のパク・ヨンフンが監督した『ダンサーの純情』がロードショー間もなくされる。
ボールルーム・ダンスの天才ダンサーと純真な<天使>の純愛を描いたエンタテインメントである。
物語は、中国の朝鮮族自治州からダンサーを夢みて純真な少女チェリンがソウルにやってくる。彼女は、傷ついた天才ダンサーのヨンセに預けられる。最初は厄介物扱いだったが、しだいに純真無垢のチェリンにほだされ、ヨンセは彼女をパートナーに育てソウルのダンス大会への参加を決意する。
猛特訓が始まり、最初はダンスも恋も何も知らなかったチェリンと天才ダンサー、ヨンセの間に信頼関係が生れてくる。
「愛がなければ体を預けて踊ることはできない。ダンスを踊っている時だけでも俺を愛してくれ」というヨンセの言葉に導かれるように、チェリンの才能が開花し、二人のダンスは美しい軌跡を描くようになる……。
ラテンダンスを練習し踊っているうちに、しだいに愛が育っていくプロセスを、巧みに描く。ディティールにはあまりこだわらず、ふたりの気持ちが静かに燃えていく姿をじつに的確に捉える。ミュージカル界からの新星だそうだが、天才ダンサーのヨンセを演じたパク・コニョンがなかなか上手かった。
(荒部 好)
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