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アンジェラ加瀬 
[2012.02. 1]

セルゲイ・ポルーニン英国ロイヤル・バレエ団を退団か

120201news01.jpg Photo/Angela Kase

英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルのセルゲイ・ポルーニンが1月24日付でバレエ団を退団した、というニュースが流れた。
ポルーニンは2月1日のアシュトン振付『真夏の夜の夢』再演初日にコジョカルの相手役とし妖精王オベロン役でビューする予定だったので、直前までリハーサルに励んでいたという。
3月にはロミオ役デビューの予定もあった他、今ーズン中に『ラ・シルフィード』のジェイムス、『リーズの結婚』のコーラスなど数々の主役に抜擢され、イギリスの多数のバレエ・ファンがポルーニンの主演公演を楽しみにしている。周知のようにボルニーンは、アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクト参加ダンサーとして来日が予定されている。
このニュースを最も早く報道した英国5大新聞の1つである「テレグラフ」によると、ポルーニンはバレエ団の同僚に「踊り続けることが嫌になった」と語っていたという。ポルーニンは自身のTwitterでも昨年末から、2012年に自身の人生を大きく変えるようなことをほのめかしており、退団前日にもそのようなコメントがあったことから、本人にとってはある程度、計画的な退団であったかもしれない。
19歳でバレエ団最年少のプリンシパルとなったポルーニンだが、ここのところ主演する公演のレベルにバラつきが目立つようになっていた。また昨年10月8日、『マノン』の男性主役デ・グリュー役デビュー当日に、英国5大新聞の1つ「インディペンデント」に掲載されたインタビューで本人は、日々の団員クラスも休みがちで、1日中何も食べずに活動する日もあれば、夜の8時~早朝4時までに4食分の食事を取ってしまう日もあるなど、自分が規則正しい生活を送る優等生タイプではない事実を語ると共に、刺青が大好きで実は体中に多数の刺青があること、アメリカ人の元ギャングで刑務所服役中に刺青の彫り師としての技術を習得したという男性と共同出資して刺青の店をオープンしたい希望、ギャングとその生活に対する憧れについて語り、関係者やファンを驚かせていた。
22歳になったばかりの若者が巻き起こした、身勝手なこの退団劇は、事件翌日の25日に「テレグラフ」の1面に大きな写真入りで報道された他、同日朝のBBCのニュース、夜の民放のニュースで取り上げられ、以来毎日のように各新聞の紙面をにぎわせている。
ポルーニンは1月27日~29日までサドラーズ・ウェルズ劇場で行われた、元ロイヤル・バレエ団プリンシパルのイヴァン・プトロフ・プロデュースのグループ公演に出演。ゴレイゾフスキーがウラジミール・ワシリエフに振付けた『ナルシス』を踊った。
1月30日には「休暇を取った後、バレエ団に戻りたい」と語ったというが、果たしてどうなるのであろう。事件直後にロイヤル・オペラ・ハウス総裁トニー・ホールは、テレビのニュースで「本人がバレエ団に帰って来たい場合は受け入れる意向」であると語った。だがバレエ団とバレエ学校の創設者で、イギリス・バレエの母、ニネッタ・ド・ヴァロワ存命中であれば、また違った措置が取られたかもしれない。
若くして数々の大役に抜擢されストレスが多大だったともいわれるポルーニン。今後の動向を見守りたい。