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大村真理子(マダム・フィガロ・ジャポン パリ支局長) 
[2013.11.25]

プルミエに昇級したアルビッソンとアルチュール・ラヴォーがアロップ・ダンス賞を受賞

11月18日、前シーズンに活躍した若手ダンサーの中から男女各1名に与えられるアロップ・ダンス賞の授賞式がガルニエ宮のグラン・フォワイエにて開催された。
アロップ (Association pour le Rayonnement de l'Opéra national de Paris)賞はバレエ部門とオペラ部門があり、どちらも協会員が投票をして受賞者を決める。1986年の協会設立と同時に始まった賞で、これまでに49名が受賞。ちなみに初回の受賞者はカリン・アヴェルティとマニュエル・ルグリで、その後も、受賞者の中から半数近くがエトワールに任命されている。

今年バレエ部門賞の候補者女性ダンサーは16名、男性ダンサーは18名。そして投票の結果、アマンディーヌ・アルビッソン(24歳)とピエール・アルチュール・ラヴォー(22歳)に賞が贈られることになった。奇しくも11月上旬に開催された昇級コンクールで、スジェからプルミエ・ダンスールに上がった二人である。 コンクール以前に投票が締め切られていることを思うと、彼らはコンクールの審査員だけでなく、観客も将来を期待するダンサーであることが、計らずも証明されたことになる。

1311AROP01.jpg アマンディーヌ・アルビッソン「ラ・シル フィード」photo/Opéra national de Paris

ダンス教師を母に持つアマンディーヌ・アルビッソンがダンスを習い始めたのは、4歳のとき。自分が踊りたい舞台はオペラ座!という意思を持って、9歳半の時にオペラ座バレエ学校に志願した、という情熱と野望の持ち主である。17歳で入団後、コリフェ、スジェと順調に昇級。そして今年のコンクールの結果、来年1月1日からはプルミエール・ダンスーズとして舞台にたつことになる。 
コンクールで彼女が選んだ『ラ・バヤデール』のニキアのヴァリアシオンはまるで本物の公演をみたような気にさせるほどの余韻を残す、テクニック、演技面、音楽性に優れた踊りだった。受賞の対象となった昨シーズンの活躍は素晴らしいもので、『ドン・キホーテ』のドリアードの女王、そして『イン・ザ・ミドル・サムワット・エレヴェイテッド』『牧神の午後』『ル・ルー(狼)』『ランデブー』『ラ・シルフィード』で主役を踊っている。スジェながら、すでにプルミエール、エトワールなみの配役に恵まれたシーズンだったといえる。この勢いでエトワール任命も遠くはないのでは、と期待させるダンサーだ。

1311AROP02.jpg ピエール・アルチュール・ラヴォー
「ドン・キホーテ」
photo/Julien Benhamou/Opéra national de Paris

ピエール・アルチュール・ラヴォーもスジェに上がった年に『リーズの結婚』のコラス役に配され、昨シーズンは『ドン・キホーテ』のバジリオ役、『ラ・シルフィード』のジェームス役を踊るなど、若いながら着々とした成長ぶりを見せている。2009年に入団後、来年からプルミエ・ダンスールというのは、マチアス・エイマン並みのかなりハイスピードの昇進だ。若いダンサーの多くがコンテンポラリー作品を好むのに対し、彼はクラシック作品派である。確かなテクニックの持ち主の彼は難易なピエール・ラコット作品に今や欠かせぬ存在となったようで、
昨シーズン『ラ・シルフィード』でジェームス役、また今シーズンのロシア・ツアー公演『パキータ』ではパ・ド・トロワに配されている。この出会いがもたらしたものは大きく、コンクールでもラコットの『マルコ・スパダ』のヴァリアシオンを彼は選び、そして昇級した。授賞式でスピーチをした際も、ラコットとギレーヌ・テスマーへの謝辞を述べている。昨年アロップ賞を受賞したフランソワ・アリュが今回ピエール・アルチュールと同時にプルミエ・ダンサーのポストを得た。フランソワがパワーを炸裂させるやんちゃ坊主なのに対し、彼は内に大きなエネルギーを秘めているものの繊細、ナイーブ、詩的といったソフトな印象を与える青年だ。この対照的な二人が、次の時代のオペラ座を担ってゆくのだろう。楽しみである。
なお受賞式の締めくくりには、今回が最後の参加となるブリジット・ルフェーヴル芸術監督への貢献に対し、会長から謝辞が贈られた。

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