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関口紘一 
[2017.04.27]

8月に上演される「ルグリ・ガラ」のためにマニュエル・ルグリが来日した

今年、8月19日の大阪公演を皮切りに、20日名古屋、22日から25日まで東京で開催される「ルグリ・ガラ〜運命のバレエダンサー〜」のために、マニュエル・ルグリが来日し、各方面に向けて精力的に動いた。

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まず、4月20日に東京入りして様々な媒体のインタビューなどをこなし、21日には記者会見を開いた。ここではゲストに浅田舞が登場し、彼女が世界に知られる妹の浅田真央とともに、幼い頃からクラシック・バレエを習っていた、と知らされるとルグリは、満面の笑みを浮かべてその親日家ぶりも垣間見せた。そして22日には、国際コンクールへの挑戦を目指す若者たちにマスタークラスを報道関係に公開し、名古屋、大阪の取材にも応じ、24日には帰国の途についた。
周知のようにマニュエル・ルグリは、23年間パリ・オペラ座の最高位エトワールとして活躍し、2009年にオペラ座を卒業し、翌年9月にはウィーン国立歌劇場バレエ団の芸術監督に就任した。ルグリは、オペラ座のエトワール時代から彼自身がオーガナイズしたグループ公演を、たびたび日本で行ってきた。しかし、ルグリ自身が舞台に立つのは年齢的にも厳しくなりつつあるため、今回の「ルグリ・ガラ〜運命のバレエダンサー〜」公演を、彼は自身の集大成をなすものと位置付けている。それが公演プログラムの充実ぶりにも反映されているのである。

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legris-gala_Deborah-Ory-and-Ken-Browar.jpg イザベル・ゲラン©Deborah Ory and Ken Browar

プログラムはA、Bの二つに分かれているが、A、Bともに16演目とかなり多い。ルグリの来日により、今まで未定とされていた演目がすべて決定し発表された。
ルグリ自身はA、Bプロともに3演目踊る。Aプロでは元オペラ座のエトワールでルグリと優れたパートナーシップを築いたことで知られるイザベル・ゲランと『アルルの女』(ローラン・プティ振付、ビゼー音楽)を踊る。そしてスロヴァキア出身のナタリア・ホレツナによるソロ作品を世界初演(音楽J.S.バッハ、F.プゾーニ、ピアノ演奏・滝澤志野)する。さらにルグリの公演にたびたび作品を提供しているパトリック・ド・バナが、ルグリとゲランのために振付けた『フェアウェル・ワルツ』(ショパン、マルティノフ音楽)を踊る。
Bプロでは、ゲランとローラン・プティの初期の傑作『ル・ランデヴー』(ジョセフ・コスマ音楽)を踊る。彼はこの演目を踊るのは初めてだそうだが、プティはルグリにとってキャリアの中で大きな影響を与えてくれた振付家であり、その想いもあってこの演目を選んだ、という。他2演目はA・Bプロ同じ。

その他、Aプロには2016年にルグリが初めて全幕振付を手がけた『海賊』から、第3幕のオダリスク(アダン音楽)、第2幕のグラン・パ・ド・ドゥ(ドリゴ音楽)、第2幕のアダージョ(ドリーブ音楽)がピックアップされる。オダリスクは、ニキーシャ・ファゴ、ナターシャ・マイヤー、ニーナ・トノリというウィーン国立歌劇場バレエのソリストのトリオが、グラン・パ・ド・ドゥはプリンシパルのニーナ・ポラコワとデニス・チェリェヴィチコが踊る。そしてアダージョは、マリアネラ・ヌニェスとワディム・ムンタギロフの英国ロイヤル・バレエ団のプリンパル・ペアが踊る。様々なアングルから『海賊』という古典バレエの名作を堪能することができる編成となっている。また、ヌニェスとムンタギロフは『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』(バランシン振付)を、Bプロでは『ジゼル』(ペロー、コラリ振付、アダン音楽)と『ドン・キホーテ』(プティパ振付、ミンクス音楽)を踊るから、ロイヤル・スタイルの舞台を充分に楽しむことができるだろう。
一方、ボリショイ・バレエのプリンシパル・ペア、オルガ・スミルノワとセミョーン・チュージンは、Aプロではモンテカルロ・バレエの芸術監督ジャン・クリストフ・マイヨーが振付けた『じゃじゃ馬馴らし』(ショスタコーヴィチ音楽)と『グラン・パ・クラシック』(グゾフスキー振付、オーベール音楽)を、Bプロではピエール・ラコットが復元し振付けた『ファラオの娘』(プーニ音楽)と『ジュエルズ』より「ダイヤモンド」(バランシン振付、チャイコフスキー音楽)を踊り、ロシア・バレエの躍動的な美しさを披露する。
その他にもAプロでは、ルグリがシルヴィ・ギエムと初演を踊ったノイマイヤー振付の『マニフィカト』(J.S.バッハ音楽)。ウィーン国立歌劇場バレエのナターシャ・マイヤーとプリンパルのダヴィデ・ダトが踊るアシュトン版の『リーズの結婚』(『ラ・フィーユ・マル・ガルテ』、エロルド音楽)など。Bプロでは、ニーナ・ポラコワとデニス・チェリェヴィチコが踊る、ヌレエフが1964年に振付た『白鳥の湖』の黒鳥のパ・ド・ドゥ(チャコフスキー音楽)。これはロットバルトとともに踊るパリ・オペラ座バレエのヴァージョンの以前に振付られたもの。そしてナターシャ・マイヤーとソリストのヤコブ・フェイフェルリックが踊るプティパ版の『エスメラルダ』(プーニ音楽)なども注目される。
ルグリが継承発展させてきたパリ・オペラ座から、英国ロイヤル・バレエ、ボリショイ・バレエ、バランシンのスタイル、そしてド・バナやホレツナなどのコンテンポラリー感覚のダンス、エレナ・マルティンのスペイン舞踊まで、多種多様なダンスシーンが繰り広げられる「ルグリ・ガラ」。マニュエル・ルグリが自身のバレエ人生を集大成しようと試みる舞台に期待したい。

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「ルグリ・ガラ」
<大阪公演>

8月19日(土) フェスティバルホール

<名古屋公演>
8月20日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

<東京公演>
8月22日(火)〜8月25日(金) 東京文化会館 大ホール

詳細はこちら
http://www.legris-gala.jp/index.html