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関口 紘一 
[2012.09.20]

新国立劇場のオペラ、バレエ、演劇、英国舞台芸術フェスティバルを開催

今年のロンドンはオリンピック、パラリンピック、エリザベス女王即位60周年祝賀会など大きな国際イベントが続いて開催されている。それに併せてブリティッシュ・カウンシルや外務省などの公的機関は、英国の様々な可能性を紹介する「GREATキャンペーン」を各国で展開中だ。

1209shinkokuritsu01.jpg 「シルヴィア」Photo/Bill Cooper

日本では開場15周年のシーズンの幕が開く新国立劇場のオープニングが、ベンジャミン・ブリテンのオペラ『ピーター・グライムズ』、デイヴィッド・ビントレー振付のバレエ『シルヴィア』、シェイクスピアの『リチャード三世』である。この英国の舞台芸術3作でオープンする秋の新国立劇場のシーズンを、「GREATキャンペーン」と連動させて、大いに盛り上げていこう、という趣旨でブリティッシュ・カウンシルと新国立劇場が共同で記者会見を開いた。場所は英国大使館のプレスルーム。
英国大使のディビッド・ウォレンが英語とともに達者な日本語を駆使して通訳なし見事な挨拶。ブリティッシュ・カウンシル代表、新国立劇場理事長などの挨拶の後、尾高忠明オペラ芸術監督、ビントレー舞踊芸術監督、宮田慶子演劇芸術監督が登壇。『ピーター・グライムス』はリチャード・アームストロングが指揮しウィリー・デッカー演出。スチュアート・スケルトンがタイトルロールを歌う。また、『リチャード三世』は小田島雄志訳、鵜山仁演出であるといった説明があったが、一番の話題は何と言ってもこの記者会見にタイミングを合わせたかのように、リチャード三世の骨と思しきものが駐車場から発見された、というニュースだった。

一方、『シルヴィア』はレオ・ドリーブ作曲、ルイ・メラント振付によりパリ・オペラ座で1876年に初演された。だから英国の作品とは言えないかもしれないが、アシュトンの振付も有名であり英国的なイメージをも受け取ることができる。ビントレー自身も言っていたが『フィガロの結婚』的な舞台である。しかしロマンチック・コメディといわれると、なんだか知的おもしろさのポイントがズレてしまうような気もする。
ビントレーは1993年というから、アシュトンがフォンテーンとソムズに振付けてから41年後に振付けた。(アシュトンは67年に1幕ものに改訂している)周知のようにそのビントレー版の初演でシルヴィアを踊ったのは吉田都。2009年には振付を改訂したが、今回はそのヴァージョンを踊った佐久間奈緒とツァオ・チーがゲスト出演する。
新国立劇場の出演者は記者会見にも参列した。今回はシルヴィアが小野絢子と米沢唯、アミンタが福岡雄大と菅野英男、ダイアナは湯川麻美子と本島美和。『パゴダの王子』とほぼ同様のキャスティングである。『アラジン』以来ビントレー作品の観客に訴えるツボとキャラクターを踊ってきているし、場面転換もその難しさに慣れてきているので、ダンサーたちは落ち着いて本番に臨む心構えが出来ているようだ。
記者会見で振る舞われた紅茶とスコーンが美味しかったので、一足先に英国の味を堪能させてもらったが、さらに本格的な英国の力強いドラマに期待したい。

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