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関口 紘一 
[2014.09.19]

新国立劇場バレエ団が、新シーズンの開幕を飾る『眠れる森の美女』の制作発表をイーグリングも出席して行った

新国立劇場バレエ団の新シーズン、大原永子舞踊芸術監督就任第一弾の新制作『眠れる森の美女』の制作発表が行われた。
大原監督は就任に当たって、チャイコフスキーの三大バレエのうちひとつだけ、未だ新国立劇場版が制作されていない『眠れる森の美女』を最初の上演作に決めた。そして英国ロイヤル・バレエ団の前芸術監督メール・パークの助言をもとに、ウエイン・イーグリングに新たに振付を依頼した。その際には、伝統的なプティパ版に基づいた振付をオファーした、という。
イーグリングは言わずと知れた、アレクサンドラ・フェリとマクミラン版の『ロミオとジュリエット』を踊って一世を風靡した英国ロイヤル・バレエ団の元プリンパル・ダンサー。オランダ国立バレエ団の芸術監督を13年間務めたが、一時期アジアのカンパニーでも活動しており、香港バレエ団に『ラスト・エンペラー』を振付けている。2005年から2012年まで、タマラ・ロホにその職を譲るまで、イングリッシュ・ナショナル・バレエ団の芸術監督としてカンパニーを充実させた、と英国では評価されている。

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ウェイン・イーグリングはオファーを受けて
「プティパのスタイルを守る。プティパの振付は決して古くない。新しいダンサーがプティパの振付を踊ることが良い結果をもたらすはず。私は『眠れる森の美女』を振付けるのは初めてだが、ピーター・ライト版、マクミラン版、ニネット・ド・ヴァロワ版などの男性ダンサーの主要な役はほとんど踊っているので、世代を越えて伝統を伝えたい。
今回の制作で新しい振付のパートは、オーロラ姫の目醒めのパ・ド・ドゥ、花のワルツ、3幕にも新しく振付を加える。そしてカラボスは、多くの場合マイム・ロールになるが、私の振付は女性ダンサーがトゥシューズを履いて踊ることになる。マクミランやアシュトンの下で踊った経験から、私の振付はイングリッシュスタイルだ。
新国立劇場ダンサーとのリハーサルは、今、3週目に入ったところだが、ダンサーたちはとても気持ちよく私を迎え入れてくれた。ナイスなダンサーたちだ。彼らの舞台は、アシュトン版の『シンデレラ』を観たことがあるが、技術はワールドクラスだと認識している」と手慣れた様子で、自身のヴァージョンについて語った。

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主役を踊るダンサーは、英国ロイヤル・バレエのプリンシパル、ワディム・ムンタギロフ(シーズン・ゲストダンサー)を除いて、7名が登壇した。
米沢唯は「美しいダンサーのムンタギロフと踊ることは楽しみ。新しい振付の目醒めのパ・ド・ドゥでは、パートナーに体重を預ける部分と自分でバランスをとる部分の流れが難しいと感じた」
小野絢子は「小学生の時に新国立劇場の杮落としで上演された『眠れる森の美女』を観て感激し、これからもずっと踊りつづけたい、と思った。今回その『眠れる森の美女』を踊れることになった。3幕は伝統的な踊りだが、ポーズを決めるだけでなく、しっかりとした表現を求められている。新シーズンの開幕なので頑張りたい」
福岡雄大は「『眠れる森の美女』を踊るのは初めて。新国立劇場ではいくつかの新しい役を踊ったので、その経験を生かして踊りたい。目醒めのシーンはすごく深いドラマがあると思うので、それを的確に表現したい」
長田佳世は「オーロラを踊るのは初めて。経験したダンサーからすごくハードな役だと聞いているので不安だけれども、ワクワクする気持ちもある。今、初めてこの会場に飾られている衣裳を見て、これを着て踊るんだなあ、と思った。目醒めのシーンからリハーサルが始まっているが、とてもロマンティックなパ・ド・ドゥなので、パートナーとともに創り上げていきたい」
菅野英男は「この役はロシアで踊っているが、踊るたびに新しい発見があった。今回、新しいパートナーと踊る目醒めのパ・ド・ドゥは、ウェインがあっさり踊ってみせてくれるけれど、とても難しいと思う」
瀬島五月は「私はオーロラ姫とリラの精も踊る。リラの精を踊ることによって見えてくる新しい世界観をオーロラの役にも活かしていきたい。目醒めのパ・ド・ドゥのリハーサルでは、立ち位置とか、本当にバランスが難しかった」
奥村康祐は「新シーズンのオープニングで瀬島さんと踊らせていただくことになった。目醒めのパ・ド・ドゥは昨日初めてリハーサルしたが、王子がお飾りにならないようにしっかりと創っていきたい。とても人間味のあるパ・ド・ドゥだと思う。ウェインが振りをやってみせてくれるのだが、時折、あの有名なロミオが垣間見えて感動している」とそれぞれが印象を語った。
新しい大原永子舞踊芸術監督のもと、初めての振付家と主演ダンサーたちが出会い、難しい振付に挑戦しつつ、和気あいあいと舞台つくりに励んでいる様子が伝わってくる記者発表だった。世界初演の舞台が楽しみだ。

制作発表の後、カラボスのシーンと目覚めのパ・ド・ドゥが披露された。
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1409sinkokuritsu05.jpg © Chacott [Dance Cube](すべて)

新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』

●11/8(土)・9(日)・11(火)・13(木)・15(土)・16(日)
●新国立劇場 オペラパレス
●芸術監督=大原永子、振付=ウエイン・イーグリング(マリウス・プティパ原振付けによる)
●出演[オーロラ姫/デジレ王子]=
8日14:00・11日18:30 米沢唯/ワディム・ムンタギロフ
9日14:00・16日14:00 小野絢子/福岡雄大
13日14:00 長田佳世/菅野英男
15日14:00 瀬島五月(貞松・浜田バレエ団)/奥村康祐

公演情報はこちら
http://www.chacott-jp.com/magazine/information/stageinfo1/post-67.html

◎公式サイト
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/sleeping/