関口 紘一
[2012.08.17]

みんなで踊ろうフォーサイス!オンデマンド・ダンス教材「Bongo Bongo, 9phases」が完成公開された

あれは1990年のこと。来日したウィリアム・フォーサイス率いるフランクフルト・バレエ団の舞台があまりに強烈だったので、東京公演ではやらない演目を上演するという関西のツアーを追っ掛けた。そして、忘れもしない京都会館で『インプレッシング・ザ・ツアー』の1シーンとして踊られたスクールガール・ダンス。

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舞台いっぱいにセーラー服とミニスカート、フォーサイスとは別の意味で憧れていた衣裳を纏ったダンサーたちが、劇場空間を破砕するかのように鮮烈なリズムを踊った。初めて観たそのヴィジュアルはまさに新鮮でショッキング、圧倒的なパワーが発散されていた。
当時は、まだkawaiiがインターナショナルに通用するときではなく、世界もそれほど日本の女子学生のパワーを認めてはいなかった。しかし、私たちは漠然とその強烈なエネルギーを身近に感じていたのではなかったか。
彼女たちの存在感をあっさりと察知したフォーサイスは、さすがに天才だ。ワールドカップ優勝とオリンピック銀メダルを勝ち取る”なでしこ”の大活躍を予見するタレントの持ち主だったのである。
閑話休題。
そのスクールガール・ダンス正式には「ボンゴ・ボンゴ・イギーラ」というダンスが、2012年には、オンデマンド・ダンスの教材となった。巷では文科省の指針により中学生にダンスを教えなければならなくなった体育の教師が教材選びに奔走している、というではないか。これほど時機を得た企画はあるまい。しかもオールフリー。つまり日本人のいや世界中の誰でもが、この「Bongo Bongo 9phases」を参照して身体を動かせば、フォーサイスのダンスを踊れるのだ。
使用法は至って簡単。www.danprs.jp にアクセスして9面から撮影された画像と注意書きを読みながら身体をリズムに乗せればいい。

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私が観た時より衣裳がAKB48風にアレンジされたが、映像で踊っているのは、日本女子体育大学ダンス・プロデュース研究部の若々しい牝鹿たちだ。そしてこのプロジェクトを実現させたのが、同大学教授でダンス・プロデュース部部長の松澤慶信。彼はかねてからフォーサイスと親しく交流があり、そのダンスの目指すところを深く理解していたからこそ、実現した好企画である。
詳しくは、まず、上記のアドレスにアクセスしてみていただきたい。フォーサイス作品では、女性20名と女装した男性20名が踊ったという。中学生の教材として活用するだけはもったいない。将来は、幼稚園から70代、80代のより世代別「ボンゴボンゴ」とか、男女対抗、職場対抗、などのコンペティションの開催すら可能である。ダンスを教材に採り上げた日本へのフォーサイスの素敵なプレゼントをぜひとも有意義に使ってもらいたい、と思った。

1208bogo03.jpg ©shibayuki.
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