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関口 紘一
[2012.12.17]

草刈民代、周防正行が「バレエ映画祭」で舞台挨拶

東京都写真美術館ホールで行われている「魅惑のバレエ映画祭」で、草刈民代の『最後のジゼル』が上映されるのを期して、草刈民代と夫君の周防正行監督による舞台挨拶があった。
この『ジゼル』は、2009年レニングラード国立バレエ団の来日公演に草刈民代が客演した際に撮影した『ジゼル』全幕のライブ映像を映画として上映するもの。出演は草刈民代のジゼルのほか、アルベルトには、レニングラード国立バレエ団のミハイル・シヴァコフ、妖精の女王ミルタにはオクサーナ・シェスタコワ、森番ハンスにはロマン・ベトゥホフというキャストで神奈川県民ホールで、カレン・ドゥルガリヤン指揮、レニングラード国立歌劇場管弦楽団の演奏により上演された。作曲はアドルフ・アダン。コラリ、ペロー、プティパの振付にニキータ・ドグルーシンが改訂を加えたヴァージョンである。

giselle_kusakari_suo_m.jpg 写真提供:アルタミラピクチャーズ/撮影:堀田弘明

草刈と周防監督はほとんど満員の観客に拍手で迎えられた。バレエのライブ映像の上映にしては、異例ともいえるほど多くの観客が集まったことに喜んでいた。
まず、周防監督がボリショイ劇場で初めて『ジゼル』を観たとき、まだあまりバレエには縁がなかったし凄い退屈でセット(ジゼルの家のこと)もチャチだったし、「まあ、この作品とはかかわることはないな」と思っていた。ところが意外に早く『ジゼル』を撮ることになってしまった、と笑わせた。
草刈は、『ジゼル』を自身のバレリーナの歩みのなかで重要な作品として、27歳の時にルーマニアの教師から特訓を受けて、一段と表現を深めることができたという。例えば、そのパ・ド・ブーレはなぜそこで使われ、なにを表わしているのか、ということを理解できると、自分の場合は表現を深めていけるようになった。とキャリアのなかでもポイントとなった体験を語った。
また周防監督は舞台収録の際、カメラポジションが下手側はかなり前のほうしかとれなかったので、少々焦った。ところが幕が開くと意外にも、セットのジゼルのお墓が前にはみ出していて、お墓を画面に入れてドラマを撮ることができ、かえって良かったのかもしれない、と収録のエピソードを明かした。そのほかの「バレエ映画祭」上映作品についても草刈は、プリセツカヤに直々に『カルメン組曲』を教えてもらったことなどの思い出を話していた。
もはや、草刈がトゥシューズを履きチュチユを身に着けて舞台に立つことを望むことはできないが、この「最後のジゼル」の映像は、後世にも様々な物語を語り継いでいくことだろう。

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