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[2015.03.10]

坂東玉三郎が演出・振付する『バラーレ』が幕を開けた

歌舞伎界のみならず演出家としても活躍する坂東玉三郎が、ダンス公演を手がけることで話題の『バラーレ』が、3月7日赤坂ACTシアターで幕を開けた。初日に先駆けて、前日のゲネプロがマスコミに公開された。

1503ballare01.jpg 「春の祭典」

出演するのは「すべてのカテゴリーに属し、属さない曖昧な眩しさ」をスローガンに掲げ、幻想的な舞台作品を次々と生み出しているダンスカンパニー“DAZZLE(ダズル)”。ストリートダンスとコンテンポラリーダンスを融合させたオリジナルのダンススタイルで評価されている彼らに、クラシックの音楽を使って「踊る」ことを表現したらどうなるのか、と坂東玉三郎が時間をかけて取り組んだ。

公演タイトルの「バラーレ」とは、イタリア語で「踊る」という意味だそうだ。
坂東が選曲したはストラヴィンスキーの「春の祭典」、マーラーの「交響曲 第4番」第3楽章、そして「タンゴ・アルゼンチーノ」。それぞれに異なる「死」を意味する3曲で、ダンスのジャンルも超えて言葉では伝えられないことを踊ることで表現できるのでは、とDAZZLE主宰で今回も振付のほとんどを行う長谷川達也は語っている。
坂東玉三郎の手により、新たなダンスの世界を描くDAZZLEの『バラーレ』は3月15日まで。

▼公演情報はこちら
http://www.chacott-jp.com/magazine/information/stageinfo2/airweave-presents.html

1503ballare02.jpg 1503ballare03.jpg
1503ballare04.jpg 「春の祭典」(C) DANCE CUBE by Chacott(すべて)

●コメント
演 出/坂東玉三郎

ストラヴィンスキーの「春の祭典」は、複雑なリズムの中で32分間踊りっぱなしの作品ですが、この曲を一曲ダンスカンパニーが作るというのは大変なことなんです。この曲には“春がやって来る”ということと、“生贄を捧げる”というテーマがあるのですが、これは“踊る”という意味での生贄なんです。ですから、立ち上がれないほどの踊りになります。今回とても良くできたと思いますし、DAZZLEがストリートダンスを基本にしながらも、そこにハマらない面白さが出たと思っています。

マーラー作曲の「交響曲第四番 第三楽章」は非常に優しい音楽です。“平安なる死”という意味があるのですが、今回バラーレのプログラムを組むにあたって第一部の「春の祭典」が終わった後は、やわらかい音楽が良いと思ったのです。そこで、この曲を選びました。これもまた、ストリートダンスから始まったDAZZLEには今までなかった、柔らかい優しい振付がなされています。人間が生まれてから平和に死んでいき、それが繰り返されるというようなテーマがこの舞台の中に出てくると思います。後半は、音楽が一番ダイナミックになったところを振りで表現するのは難しいので、24人のアンサンブルを追加し、DAZZLE9人と合わせて33人で一気に踊って死を迎えていくというような構成になっていて、非常に華やかなものになっています。
そのまま、第三部は同じ33人で「タンゴ・アルゼンチーノ」を踊ります。このタンゴは通常のタンゴとは違った解釈で、音楽を楽しくまた冗談をまじえて、33人がタンゴの中で遊んでいるような構成にしてあります。
「春の祭典」は難解な音楽、マーラー作曲「交響曲第四番第三楽章」は美しい曲ですが現代の若い人たちに馴染みのない音楽なので、3曲目最後は、曲に対して知識がなくても楽しめるような音楽を選びました。

舞台「バラーレ」が、いよいよ赤坂ACTシアターで開幕です。33人のダンサー、そしてスタッフともみんな力を合わせて、古典的でもありまた現代的な楽しさもあるプログラムができました。どうぞみなさんこぞってご来場いただければと思っております。

出 演/長谷川達也(DAZZLE主宰)
一年前から稽古を始めてずっと積み重ねてきて、いよいよ本番を迎えます。
芸術を極めていらっしゃる玉三郎さんが、舞台に立つ表現者としてどうあるべきか言葉をつくして下さり、その一つ一つが本当に印象深くて目からうろこが落ちるような体験でした。技術的なことはもちろん、精神的な部分もすごく勉強になったと感じています。
「バラーレ」は、音楽の力が非常に強い公演です。ストラヴィンスキーの「春の祭典」もマーラーの「交響曲第四番第三楽章」も、「タンゴ・アルゼンチーノ」も歴史的な名曲なので、それぞれの曲のテーマ、イメージを膨らませて振付を考えました。
特に「春の祭典」は、とにかく楽曲が複雑で、大変な振付でしたがそれを乗り越えて今作品が出来上がっております。それも含めて観ていただきたいと思います。
DAZZLEはもともとストリートダンスから派生しているダンスカンパニーですが、今回の公演はストリートの枠を飛び越え、バレエでもコンテンポラリーダンスでもなく、またジャズでもモダンでもない、どんなダンスジャンルにもとどまらないすごく独創的なダンス作品になっています。玉三郎さんのご指導のもと、本当に美しい舞台作品になっているのを実感しているので、ダンスを知っている方はもちろん、ダンスを知らない方にも、こんなダンスがあるんだ、こんな美しい作品があるんだというのをぜひ感じていただけたらと思います。