関口 紘一
[2011.04.20]

劇団四季が『ジーザス・クライスト=スーパースター』の2つのヴァージョンを連続上演

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1971年10月、22歳のアンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲し、26歳のティム・ライスが作詞したミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター』がブロードウェイで開幕、72年にはロンドンでも上演されて驚異の世界的大ヒット作となった。
1973年、劇団四季は浅利慶太・演出、金森馨・美術によるオリジナルとはまったく異なった、登場人物全員が歌舞伎の隈取りとジーンズ、という衝撃的な<ジャポネスク>ヴァージョンを上演した。そしてこのヴァージョンは、1991年には本場ロンドンのドミニオンシアターで上演されて賞賛された。
1976年には、今度はリアルを追求してイスラエルの石と土塊だけの荒野を舞台とした迫真の<エルサレム・ヴァージョン>を上演。これは1994年に日韓の文化交流促進のための日本文化通信使として、ソウルの国立中央劇場で上演された。
劇団四季版の『ジーザス・クライスト=スーパースター』は、既に1000回以上上演されているが、今年、2年ぶりに東京の自由劇場で上演され、<エルサレム>と
<ジャポネスク>ヴァージョンの連続上演となる。

まず「熱気の」<エルサレム>ヴァージョンのゲネプロをみたが、やはり凄い迫力だった。
よく知られるように『ジーザス・クライスト=スーパースター』は、キリストが十字架にかけられるまでの七日間をロック・ミュージカルに仕立てにしたもの。登場人物はジーザスのほかには、苦悩のすえにジーザスを裏切るユダ、ただひとりジーザスと心を通じているマグダラのマリア、そしてヘロデ王や司祭、パレスチナの民衆、という明快な仕組み。物語はジーザスに対するユダの心の動きが軸となってドラマティックなシーンが次々と展開していく。
とりわけ、「神の子」と讃えていたジーザスを「十字架にかけろ」、と迫る民衆とその痛罵と投石に晒されながら信念を貫くジーザスとが描く精神の鋭いコントラストは、じつに凄絶な印象を残す。エルサレムの石と土塊だけの荒野を背景に、魂を揺さぶるロック調の音楽が絶大な効果をあげ、ぬぐいがたい刻印を観客の胸に深く刻み込む・・・。
長年、ユダ役として出演していたが、今回初めてジーザス役に挑戦する芝清道は、
「この作品におけるジーザスは、神の子ではなく、一人の青年として描かれます。悩み苦しみ、翻弄されていく人間・ジーザスのドラマを、しっかりとお客様にお届けできるよ努めていきたいと思います」とコメントしている。
5月14日から上演される「鮮烈の」<ジャポネスク>ヴァージョンも大いに期待したい。

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劇団四季ミュージカル
「ジーザス・クライスト=スーパースター」エルサレム・バージョン


●4/13(水)〜5/7(土)
●自由劇場
●S席9,800円/A席6,000円/A席学生3,000円
●お問い合せ=劇団四季 http://www.shiki.gr.jp/applause/jesus/