関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi
小松原庸子スペイン舞踊団「真夏の夜のフラメンコ2006」

 今年も、<雨天決行>の決意のもとで、36回目を迎えた「真夏の夜のフラメンコ」が、幸いにも好天に恵まれて開幕した。
 第36回の野外フェスタは、スペインで注目を集める若手ダンサー、ファン・デ・ファンをゲストに迎え、4人の日本人男性ダンサーも参加して賑やかに進行した。
 まだ夏空は明るく、蝉時雨も収まらぬ日比谷野外大音楽堂。爆竹が鳴り渡り、オープニングはパソ・ドブレ、恒例の「エスパーニャ・カニー」。マヌエル・デ・ファリャの「ラ・ビダ・ブレベ」、真っ赤なドレスに赤いアバニコと白に赤い柄の入ったドレスと白いアバニコが交錯する、懐かしい「カラコレス」、サラサーテの代表作のひとつ「サパテアード」は、踏み鳴らす足音と流れるようなフォーメーションが繰り広げられて、さらに舞台は盛り上がった。

フィナーレ
小松原とフアン・デ・フアン

 そして暮れ泥む夏の東京の空を背景に、しっとりと落ち着いた「ソレア」。モスグリーン風の地味なドレスだが、緊迫感のある、自己と外界を対決させるような踊り、柔軟さの際立つ石井智子のソロである。
 一転して、4組のカップルと黒いハットを被った群舞が織りなす、ユーモラスな男女の掛け合いもある、スペインの港町のカディスの明るい踊り「タンギージョ・デ・カディス」。
 25歳、注目の舞踊手、ファン・デ・ファンの登場。曲はカディスの青い空と美しい女性を讃える「ミラブラス」、ファン・デ・ファンのソロである。ベージュのハットを被ったファンは小柄だが、舞台に立っただけで、ダンスのエネルギーに満ち溢れている感覚がヒシヒシと客席に伝わってくる。上衣を脱ぎ捨て引きずって舞台全体を走り回って激しいサパテアード。抜きん出たリズム感と目まぐるしく風車のように動く身体で、爆発するダンスを踊って圧巻だった。

フィナーレ
 ムードラを使った大きな動きの「タンゴ・イ・ティエント」。そして待望の百花繚乱の「ファンダンゴ・デ・ウエルバ」では、アーティストとともに客席の人たちも踊る「みんなで踊ろうセビジャーナス」。舞台と客席が一体となって大いに盛り上がった。
 女性5人と男性5人で踊る「ソレア・ポル・ブレリア」、ファルダに特徴のある娘たちの踊り「バンベラ」、色とりどりのマントンが入り乱れる「アレグリアス」、フィナーレは小松原庸子が、白に紫の模様が浮かぶ素晴らしいマントンを翻して踊り、ファン・デ・ファンも再び登場して、「フラメンコの快楽」を堪能させてくれた「真夏の夜のフラメンコ2006」は幕を閉じた。(7月27日、日比谷野外大音楽堂)

 

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