藤野 暢央 Text by Nobuo Fujino

【第28回】白鳥の羽ばたき&リニア股関節- エクササイズ-

今回は不思議なネーミングのオリジナルエクササイズです。

「白鳥の羽ばたき」

有名なバレエ「白鳥の湖」より、白鳥たちの特徴的なアームスの動きを、精密に考察していきます。
両腕をサイドラインでしっかり上げ下げする。まるで白鳥が羽ばたいているように・・・。
両腕を耳の横でしっかり上げる時に、脇下のあばら部分が意外と「上がっていない」ことが多いので、脇下2本目ぐらいの肋骨を、腕と共に思い切り持ち上げて、前鋸筋や肋間筋の働きを促します。
腕を下げる時には、鎖骨と一緒に胸も下げてしまうと、大胸筋や腹筋が中心へとカチコチに締まるので、胸骨は空を見上げるようにスライドアップ。
首の動きを加えると肋骨周囲の筋肉の伸縮や上げ下げをより感じやすくなる為、オリジナルとは動きが異なりますが、腕の上げに対して首を前に垂らし、下げに対して天井を見上げるようにしましょう。

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「リニア股関節」

仰向けで脚を浮かせて、色々な動きをします。
どの動きをするにせよ、腸腰筋を張るために「股関節の浮き」を保つことを意識しましょう。
よくあるパターンとして、脚を浮かせておくということを「腿を体の方に寄せている」という力が入っている人が多いです。これは「腿の筋肉を縮めて寄せている」という状態であり、股関節は引けてしまい、より奥へと固めてしまいます。使いたい意識は「腸腰筋を張る」ということなので、骨盤の腸骨を受け皿とすると、股関節という玉が、まるで磁石の力で浮いている「リニアモーターカー」のように保つ必要があります。
これで股関節は大きなスペースの中で、より大きな動きや、楽なアンデオールを作り出せることとなるでしょう。

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肩関節、股関節は呼吸の影響を大きく受ける部分です。吸えば大きく膨らんで、吐けば動きが流れていく。ゆっくり長く、太い呼吸を心がけて、関節間から「温かいぬくもり」が外に発せられるようイメージしましょう。

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>>> 【第28回】引き上げポイントと大きな動き

(イラスト:あゆお /写真:藤野暢央)

藤野 暢央(ふじの のぶお)

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12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。


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あゆお

仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。