藤野 暢央 Text by Nobuo Fujino

【第20回】Bridging〜ふくらはぎの意識〜- エクササイズ-

以前に紹介しました、背骨の動きと腹筋のためBridgingブリッジング。今回は支えとなっている脚、特にふくらはぎの意識と、足首強化のエクササイズをお伝えします。

「ふくらはぎの役目」


ふくらはぎの第一の役割はやはり「アキレス腱を引くこと」。単純に考えると、筋肉を締めると腱は引っ張られ、緩めるとアキレス腱も元の状態へと緩む、となります。
僕はいつもお話する中で「筋肉を引っ張るように締める」のか?「押し出すように伸ばす」のか?に焦点を当てているのがお分かりだと思いますが、今回もやはり「伸ばす」ことを意識してみて下さい。

ふくらはぎをギュッと締めるとアキレス腱が上がる。違う観点で見ると「踵の骨を引っ張り上げる」すなわち「足首を詰める」ことになります。また、締まっているふくらはぎを更にグイッと上げようとすると、裏ももを引っ張って「膝を曲げよう」とする力となります。下がりそうになった裏ももを今度はお尻が引っ張り上げて、お尻や腰はガチガチに・・・まさに悪循環の螺旋に乗っかってしまいます。

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このガチガチモードを逆転させる方法は、考え方としては至ってシンプル。ふくらはぎを筆頭に「締め上げる」のではなく「緩め下げる」と、すべてが伸びる方向に変化します。
ふくらはぎが空気を閉じこめるように外からギュッと締まるのに対して、「内から空気を含むようにフワッと」させて、すねの骨の裏で空気の球が滑り落ちていくように動かしてみましょう。こうすることでアキレス腱は足首から下を押し出す力を生み出します。くるぶしの下、膝のお皿の下、腿の付け根の下側に「空気の層」が増えた感じになれば正解です。足裏も広がって、更に地面を押す力を得ることになります。

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ブリッジングを行う際に、お尻を浮かせた瞬間から入ってくる「脚の力」の中で、ふくらはぎを上げるか下げるかで変わってくる全身の感覚。特に足裏と腹筋への影響を感じてみましょう。

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おまけの足首を強化するエクササイズです。写真のように膝を抱えて足首を大きく、グルグル回します。
足首が自分から段々と遠ざかっていくように。足の指の隙間を優しく広げて、指先には空気の抜け穴があるかの様に優しく保つ。するとふくらはぎはタプンタプンとなって、疲れてくる箇所はすねの骨のすぐ裏辺りの「ヒラメ筋」を感じるはずです。
膝をまっすぐ伸ばしたルルヴェの状態で、このすねのインナーマッスル「ヒラメ筋」が、横太に張る感じがすれば、それは「最強の柱」として、これからの体作りに大いに役立ってくれると思います。

手首も同じ原理なので、是非意識して柔らかく押し出してみて下さい。

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>>> 【第20回】Let's JUMP〜空へと昇る〜

(イラスト:あゆお / 写真:藤野暢央)

藤野 暢央(ふじの のぶお)

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12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。


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あゆお

仙台市在住。マンガ家・イラストレーター。
著書に謎の権力で職場を支配する女性社員「お局様」について描いたエッセイマンガ「おつぼね!!!」。
イラストを担当した書籍に「一生元気でいたければ足指をのばしなさい」。
趣味はロードバイクで走ることです。