藤野 暢央 Text by Nobuo Fujino

【第17回】アンデダン強化&Standing Dart(アームスの調整)-エクササイズ-

前回に引き続き、僕のオリジナルエクササイズです。
「姿勢を正して、きっちりお膝を揃えて座る」ということが、果たして正しく出来ているでしょうか?
本編でご紹介したように、アンデダンで内巻きの力を整えて、内転筋と腹筋の繋がりを強化して、「伸びる背筋&押し出す脚」を作りましょう。

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「Knee Squeese(ニースクイーズ)」

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膝が90度近く曲がり、足裏がペッタリ付けられる高さのイスに座りましょう。まずは膝をしっかり揃えて、どこにどの様な力が入るか感じて下さい。
ただ膝をギュッと寄せる力は前ももとお尻が締まることで始まります。それだけだと股関節は引く、沈む。腹筋は表向き固まり、腰は詰まった感じ。その姿勢を維持するだけで疲れてしまう感じがするはず。
そこから膝下から脛を内巻きに搾り下げて、足裏に踏み込みます。ここまで使うことで脚は地面を押す力を得て、内転筋は「ただ締まって寄るもの」から「張って腹筋を押し上げるもの」へと変化します。腰も「締まって詰まるもの」から「押されて広がり、伸び上がるもの」へと繋がります。

エクササイズは
1,吸いながら膝を開く
2,吐きながら膝を閉じる→脛を搾り足裏を真っ直ぐ踏み込む→背筋を伸ばす
を繰り返してみてください。

地面が「段ボールのフタ」だと思って、膝を閉じてフタをしっかり閉めるイメージで。イスの代わりにバランスボール。硬い平面の床よりバランスブロックMinguのような弾力性のある床がオススメです。

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「Standing Dart(スタンディングダート)」

真っ直ぐ立ったときだけでなく、反った状態でおなかや背中に負荷が掛かりながらも、脚の力と肩のアライメントをコントロールするためのエクササイズです。

両足を揃えてパラレルに立ち、両腕は体側で真っ直ぐ床へ。手のひらは後ろ向きにしておきます。
大きく息を吸い込み、吐きながら鼻、あご、胸の順に天井に寄せるように上に向けて、みぞおち裏辺りまで伸展。反った状態にします。
体を反ったまま手のひらを後ろに出して、指先は地面の方に向けて伸ばします。
大きく息を吸い直し、ゆっくり吐きながら元の姿勢に戻ります。

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上体を反って後ろに持っていくと、当たり前ですが全身が「後ろに倒れないように」頑張り始めます。
まず前ももがグイと持ち上がるように固まり、地面と体をつなぎ止めようとします。これは「足が地面を掴んで引っ張ろう」とする力で、結局掴めずにそのまま後ろへ倒れることになります。
膝の内側の骨をしっかりと揃え、少し下げて、脛を内巻きネジで、足裏へと踏み込みます。これで脚は地面を押す力を得て、上体は持ち上げられることになります。

腕は後ろに出すと、まずグイと上がって肩に力が入ります。腕の外側から小指のラインを「床に真っ直ぐ」の基準にして、肘の内側、親指をさらに下げます。腕自体を少々内巻き回転で。肩甲骨は「無理やり下げると」背中が締まって落ちるので、逆に軽く持ち上げて上端へ広げてみて下さい。これで首と胸は、天井に広がって、息もスッと通る感じになります。

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>>> 【第17回】ポワントでも趾を伸ばす~ルルヴェ~

(写真:藤野暢央)

藤野 暢央(ふじの のぶお)

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12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。