藤野 暢央 Text by Nobuo Fujino

【第16回】ルルヴェアップ-エクササイズ-

今回はピラティスのエクササイズではありませんが、僕が考案した「ルルヴェアップ」の練習法を紹介します。足裏を真っ直ぐ地面に踏み込み、一気に軸へ立つ感覚と、強さを磨くためのものです。

「ビニール立ち」


スーパーの買い物袋を床に置いて、その上に軸足をアテールで立ちます。エコですね!袋は切ったりせずに二重のままで使うと、滑り具合が解り易いと思います。軸足ビニール、反対は普通に床に立って2番グランプリエ。そこから軸足の方に立ち上がります。ポジションはパッセでもクッペでも、お好きなものを。最初は床にスレスレの低いアラセゴンがおすすめです。
立ち上がり様にビニール足が滑らない、ビニールがシャカシャカ音を立てないようにするのが目標です。

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このエクササイズは、いかに真っ直ぐ地面を踏みしめ、その上に軸を乗せるかが重要になります。趾(あしゆび)がグーに曲がって、掴もうとしていないか。逆に浮いてしまって足の甲がカチカチになっていないか確認して下さい。ドゥミポイントやポイントでも、力の向かうべき方向は同じ「重力に向けて真っ直ぐ」です。
慣れてきたら、プリエをしてのルルヴェアップから、膝を曲げない「アテールでのピケアップ」の立ち方も練習しましょう。

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「ステップアップ」

ピルエットもピケターンも「立ち上がる」という意味で、階段上で行うのであれば、段を「登る動き」ができていますか?「下る動き」になっていませんか?膝が伸びないなどの理由に大きく関わってきます。
僕は自宅にトランポリンがあって、このエクササイズに最適なのですが、一段登る踏み台であれば、ホームセンターで買えるものでも、ちゃぶ台でも構いません。
立ち上がる足を先に台に置いて、足裏をしっかりベッタリと押しつけます。反対の足を蹴り足として、重心を乗せて深いプリエに構えます。蹴り足が伸びたら前足に体重を移して、バランスを安定させながら膝を伸ばします。
トランポリンであれば、膝を曲げずにピケで立つこともできます。

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>>> 【第16回】回転のまとめ 〜体を回す&進む回転〜

(イラスト:あゆお / 写真:藤野暢央)

藤野 暢央(ふじの のぶお)

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12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。