藤野 暢央 Text by Nobuo Fujino

【第12回】Mermaid マーメイド&バーに脚乗せストレッチ-エクササイズ-

「Mermaidマーメイド」

横にポールドブラを入れて、背骨をしなやかに側屈させるエクササイズです。しかし今回は「股関節がビックリするような力を入れない」ことに集中してみましょう。

あぐらで座り、高い姿勢から横ポールドブラを入れて手を着いて更に遠くへ。背骨の一番下の段から積み上げていくように元の高い姿勢へと帰ります。
行きも帰りも動き始めで尾骨坐骨、大転子が「ギュウっ!」と唸りを上げてきますので、息の吐き方を「ホワア〜」と穏やかに。全ての動きを「骨盤はふっくらパン」で出来るようにしましょう。

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お尻や太股が沈黙を保ったままこのエクササイズができるようになると、腹筋がかなりいい感じに上体を操れるようになります。レベルアップとして「マーメイドの姿勢でアラセゴンに上げる」にも挑戦してみましょう。

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「バー乗せストレッチ」


バレエでは定番の「バーに脚を乗せてのストレッチ」です。体が硬いと思う人は、かなり抵抗を感じるストレッチですよね。基本バーはどこのスタジオでも「腰より高い位置」にありますから、脚の上げ具合はすでに「かなり高い」のです。
ここは「いかに脚を高く上げれるか」よりも「股関節が何をするのか」に集中してください。バーに脚を乗せられない人は、低いイスを用意してそれに乗せても全然構いません。

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片脚を持ち上げるとき、お尻には自然と締める力が入ります。大転子、つまり横ポケットは詰まるように上へ、そして内へ。坐骨は尾骨へ向けて、何とかお尻を閉じようとする行動を始めます。これらは全て、大殿筋を締めよう(閉めよう)とする力によるもので、大転子や坐骨を経由して、腿を股関節に「引く」力と繋がります。これでは脚は短くなり、股関節をアンデオールに維持できなくなるので、骨盤周りの骨を何とか「ゆったりさせる」方向にストレッチしましょう。

大転子=外向きに優しく広がるスピーカー
尾骨=基部はふっくら。地面に差し込む、まっすぐな柔らかいしっぽ
座骨=尾骨からお尻の割れ目を経由して、なだらかに広がる「人」の文字

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バレエではお尻はしっかり「固めるもの」と捉えられがちですが、お尻に向かって体が固まっては勿体ないです。お尻から広がる体内の宇宙を広げて、優雅な踊りへと繋いでみましょう。


>>> 【第12回】脚はちゃんと上がる(1)〜ドゥバーンとアラセゴン〜

(写真:藤野暢央)

藤野 暢央(ふじの のぶお)

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12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。