藤野 暢央 Text by Nobuo Fujino

【第8回】Hundred(ハンドレッド)-エクササイズ-

半身を起こして腹筋が締まった状態で、腕や脚に運動させながら強制吐気を行い、コアを鍛える・・・というのが本来の目的ですが、今回お伝えしたいのは、

・腕や脚に力が入りすぎない
・腹筋を使うこと、体勢を固定することで息が詰まらない
・歌うように滑らかに呼吸をし、全身のハーモニーを整える


両足を揃えて斜め45°にキープして、半身を起こして両腕を腿の向こうへ伸ばす。
両腕を真っ直ぐのまま、手元に置いてある空気ポンプをシュッシュッと押すように、上下に振る。
腕を5回分振るスピードで吸い、次の5回分「ハッハッ」と吐く。これを100回分行う。

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普通に頑張ると、終わったときにお腹イタイイタイで苦しい、ただの疲れるエクササイズになります。太股やお尻、腕や肩がガチガチに力を入れてしまうと、「ん〜!」と息を堪えるようになってしまうでしょう。下記の内腿と二の腕の注意点を意識して、緩やかな骨盤と鎖骨を作ってみましょう。
そして吐気は「ハッハッ」ではなく、「ラ〜〜♪」と同じ音で声に出してみて、全身がその音を出そうとしている雰囲気で試してみてください。慣れてきて100回と言わず、そのままでしばらく過ごせるようになるとバッチリですね。

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「朗読練習法」

バレエは声を出さずに踊って表現するものですが、頭の中でも無言になってしまうと、踊りも自然と「・・・」となっていきます。「伸びる〜」とか「しゃがむ〜」などダイレクトなものでもいいですし、流れている曲を鼻歌で歌うのも良し。何かを頭と体で「喋っている」状態にしましょう。「よいしょ!」とか「おりゃ!」などの単発的な掛け声はあまり効果がないので気を付けましょう。

これは例えばですが「おおきなおやまのてっぺんで」という文章を、気持ちを込めて言ってみてください。強調したい語句が三つ。高めの音と強めのアクセントで出たと思います。これをそのまま「トンべパドブレ・グリサード・グランパドシャ」に当てて試してみましょう。力を入れるところ、流すところが自然と見えてくるはずです。

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「音階コントロール」

4番プリエのプレパレーションからのピルエットに、音階を付けてみましょう。プリエの時に低い「ド〜♪」の一定音で溜めて、回転中は1オクターブ上の「ド〜♪」を足を降ろすまで保ちます。失敗するときは立ち上がるまでに「力の音」がフライングして昇っていたり、回転中にピッチが低くて「シ〜↓♪あらら?」になっていたりなど、自分で「力の音」のズレ具合を感じてみましょう。

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>>> 【第8回】番外編 体は最高の楽器〜音楽性〜

(写真:藤野暢央)

藤野 暢央(ふじの のぶお)

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12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。