藤野 暢央 Text by Nobuo Fujino

【第5回】Floor Arms(フロアーアームス) -エクササイズ-

仰向けで呼吸に合わせてバレエの腕のポジションを作ります。床の平らな面に仰向けになって行うことで、自然と真っ直ぐな背中の感覚を掴み易く、腕を動かすことで肩や背中に入る余計な力を確認し易くなります。

<1>膝を立てて仰向けになり、両手はおへそに重ねて深呼吸。出来る限り背中や肘をリラックスさせます。

<2>両腕を真っ直ぐ天井に伸ばして「前にならえ」(スターティングポジション=SP)。ここで確認したい余計な力は、肘が突っ張っていないか?鎖骨がギュッと寄っていないか?肋骨が脇に向かって突き上がっていないか?

<3>息を吸いながら腕を各ポジションに開き、吐きながらSPに戻す。
SP→アラセゴン(かかしの腕)→SP
SP→アンオー(両手ばんざい)→SP
SP→アンバー(気を付けの腕)→SP

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このエクササイズをするに当たって注目してほしいのは、ちゃんと腕を動かせているか?ということより、腕を動かすときに、体の他の部位が変な力を入れていないか?ということです。各ポジションで以下の力が入っていないか確認しましょう。

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アラセゴン間違い
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アンバー間違い
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アンオー間違い


「座って作業時の姿勢を正す」


近代ではパソコンやスマホの普及により、やはり人々は足を止めて、腕と目を酷使する時間が増えて、それに伴って姿勢の悪さも目立つようになっています。長時間同じ姿勢を保つことで体は凝り固まる、というのはもちろんですが、それよりも怖いのは腕や脚の筋肉が一つの動きを常習してしまい、それ以外の動きができなくなる。ということです。

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スマホ
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パソコン

立っていても座っていても、共通して問題なのは「足が地面を押していない」「肘が持ち上がっている」ということです。オフィスによっては椅子の代わりにバランスボールを導入している所もありますね。ボールに座っているだけで体が修正されていくというのは本当です。なぜならそれは足でちゃんと踏みしめていないと、座っていることすらできないからです。反対に最悪なのは、キャスター付きでしかも回転するデスクチェアです。これはどんなに上手に足で地面を押しても椅子が動いてしまうので、足を浮かせてキープする力が抜けなくなります。
写真を参考にして、「足がちゃんと地面を押す」「肘が下がる」という感覚をしっかり心がけましょう。

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>>> 【第5回】 肩の力を上手に抜こう

(写真:藤野暢央)

藤野 暢央(ふじの のぶお)

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12歳でバレエを始め、17歳でオーストラリア・バレエ学校に入学。
当時の監督スティーブン=ジェフリーズにスカウトされて、香港バレエ団に入団。早期に数々の主役に抜擢され、異例の早さでプリンシパルに昇格する。
オーストラリア・バレエ団に移籍し、シニアソリストとして活躍する。
10年以上のプロ活動の中、右すねに疲労骨折を患い手術。復帰して数年後に左すねにも疲労骨折が発覚し手術。骨折部は完治するも、激しい痛みと戦い続けた。二度目のリハビリ中にピラティスに出会い、根本的な問題を改善するには、体の作り、使い方を変えなくてはならないと自覚する。
現在は痛みを完全に克服し、現役のダンサーとして活動中。またバレエ・ピラティスの講師として、ダンサーの体作りの豆知識を、自身の経験を元に日々更新し続けている。