(荒部 好)

『オーレリー・デュポン 輝ける一瞬に』

Aurélie DUPON
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パリ・オペラ座のエトワール、オーレリー・デュポンの初々しいバレエ学校時代から昨年5月のマニュエル・ルグリの引退公演に至るまでのドキュメンタリー映像が、『オーレリー・デュポン 輝ける一瞬に』としてDVDで刊行された。
オペラ座のエトワールたちもクロード・ベッシー、ヌレエフの教えを受けた世代がつぎつぎと引退して、何人かの新しいダンサーがエトワールへと昇格している。そうした中でオーレリー・デュポンは、出産、復帰という、怪我を除けばバレエダンサーとしてはこれ以上ないともいえる試練に挑戦している。そしてその闘いが、長年彼女を追いかけてきたセドリック・クラピッシュ監督によって映像に収められている。特に復帰に向けてのリハーサルで、舞踊監督や教師やパートナーなどとともに身をけずる想いで取り組んでいる姿は、胸に迫ってくるものがある。
そうした刻一刻と引退の時が刻まれてくるエトワールの人知れぬ厳しさは、アニュエス・ルテステュと一緒にインタビューに応じる、デュポンの言葉の端々にも表れている。
その引退のスケジュールの決まったマニュエル・ルグリとのリハーサルは、『椿姫』『ル・パルク』などが収録されている。これらの映像によって、デュポンの人生のドラマティックな一部分を垣間見てしまうと、そうした作品の登場人物に込めている彼女の情感の重みがまるで違って感じられて、一時も目を離し難くなってしまうのである。
エトワールはつぎつぎと世代が代わっていくが、オーレリー・デュポンがオペラ座の舞台に刻んだ鮮烈なアルマンやライモンダといった人物像は、永遠に生き続けるだろう。

出演者/オーレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ、マリ=アニエス・ジロ、マティアス・エイマン、ジョゼ・マルティネズ、アンジュラン・プレルジョカージュ、ローラン・イレール、クロティルド・ヴァイエ
登場する作品/『白鳥の湖』『ライモンダ』『ル・パルク』『椿姫』

コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社
¥4,725(税込)