荒部 好

『ベスト・オブ・ナタリア・マカロワ』

 ナタリア・マカロワは、キーロフ・バレエの若手バレリーナとして嘱望されていたが、旧ソ連の複雑な政治的背景がカンパニーの内部にまで及ぶことを嫌って、1970年、ロンドン公演中に亡命した。
その後は、アメリカン・バレエ・シアターや英国ロイヤル・バレエ団で踊り、チューダー、マクミラン、クランコなどのヨーロッパの優れた振付家の作品を踊る一方、ロシア・バレエに基づいた『ラ・バヤデール』『白鳥の湖』『ジゼル』などをヨーロッパやアメリカのバレエ団で製作した。さらに、ブロードウェイのミュージカルやロ-ラン・プティ振付の舞台などでも踊り、スーパースターとして国際的に活躍した。
このディスクは、ナタリア・マカロワの優れた才能のすべてを楽しむために、最高のパートナーと踊る舞台や秀逸なソロの舞台の映像を集成したものである。様々の優れたダンス・シーンに、バレリーナとして、ミュージカル・ダンサーとして、女優として、ナタリア・マカロワの素晴らしい才能が煌めいている。
英国ロイヤル・バレエ団というより、20世紀を代表するダンスールノーブル、アンソニー・ダウエルと踊る『ロミオとジュリエット』『マノン』『田園の出来事』、ロ-ラン・プティの舞台でシックな男性的魅力を発揮したドゥニ・ガニオと踊った『カルメン』『バッハ・ソナタ』など。パートナーによって、あるいは作品によって、種々の魅惑的世界を繰り広げる、ナタリア・マカロワのロマンティックに、あるいは妖艶に踊る美しいダンスの貴重な映像集である。



演奏:ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
(本作のために特別収録)
指揮:バリー・ワーズワース
収録:エルストリー・スタジオ
案・演出:ロビン・スコット
演出:デレク・ベイリー

『ベスト・オブ・ナタリア・マカロワ』
¥4,900 (本体価格¥4,667)