荒部 好

『バレエ学校の妖精たち』

 パリ・オペラ座バレエ学校へ入学するために、研修を受ける8~9歳の子供たちを追ったドキュメンタリー。
非常に厳しい審査を受けて選ばれた子供たちは、まず、親元を離れて寮に入る。両親の元で温かく愛されて育ってきた彼らにとっては、これがまず大きな試練となる。初めてルームメイトとともに夜を過ごし、昼は厳しい教育を受ける。すぐに環境に慣れて自由に自分を主張して生きることのできる子供がいる一方、バレエの才能はあってもどうしても友だちと馴染めない子供もいる。
バレエ学校側では、寮母や教師たち、あるいは経験のある上級生がそれぞれの生徒に<小さい父・母>となって、一心に子供の相談にのり、仲間たちも励ますのだが、中にはやはり<普通の娘>になりたい、といって去ってしまう者もいる。
子供の心を巧みに捉えて、みているだけでも充分におもしろい授業、時に浴びせられる厳しい叱責、将来を見据えた優しい理解などに囲まれて、生徒たちはみるみる成長していく。
そして、エリザベット・プラテル校長の授業に緊張したり、バスティーユ・オペラ座の『ラ・バヤデール』の公演に胸を踊らせたりしながら、いよいよ入学試験の日を迎える・・・。
もちろん、通常のバレエのクラスもあるが、表現を指導する演技のクラスや全員で楽しく踊る民族舞踊のクラスなどがじつにおもしろい。




 

パリ・オペラ座
『バレエ学校の妖精たち』
4,410円(本体価格4,200円)
発売・発行
クリエイテヴ・コア
コロムビアミュージックエンターテインメント