荒部 好

『日本現代舞踊の流れ』

 現代舞踊協会が制作を続けてきたビデオ(DVD)『日本現代舞踊の流れ』が全6巻で完結した。これは、日本のモダンダンスが、どのようにして生まれいかに発展してきたか、を種々の映像資料を集めてまとめたものである。

ダンスだから動画で観られることが望ましい。むろん貴重な動画も収録されているが、過去のすべての映像が揃っているわけではない。しかし、たとえ静止画であっても、ステージ上のアーティストの姿を観ることは後世のダンサーや鑑賞者にとって非常に参考になるし、風俗などと対照して見ることにより、その時代の息づかいをじかに感じることができる。
そうした意味では、第1巻の『開拓期の人びと』の映像は意義深い。
ここではまず、石井漠、伊藤道郎、小森敏、高田雅夫・せい子、岩村和雄、村山知義、山田五郎、江口隆哉、新村英一、青山圭男、といった人々が映像資料とナレーションによって紹介されている。もろん、彼らが活躍した背景である、帝国劇場やその教師のG.V.ローシー、あるいは浅草オペラなどの資料映像も収められている。彼らの踊りには、西洋で生れたダンスという芸術を学び日本の独自なものを創ろうという、激しい気魄に満ちている。
今の私たちは、この開拓期の人々の<学ぶ謙虚さと乗り越えようとする気概>をこそ見るべきなのである。そう私たちに想わせる情熱が、彼らの瞳には宿っているのである。

完結した第6巻は、現在の舞台でまさに活躍している人々である。主な舞踊家は、小松原庸子、佐藤桂子、野坂公夫、加藤みや子、萩谷京子、本間祥公であるが、その他の人々も「日本現代舞踊の流れ」の中で紹介されている。
詳細をお知りになりたい方は
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/modance/



『日本現代舞踊の流れ』
全6巻、各60分
現代舞踊協会制作