荒部 好

『ナルシス~マラーホフの肖像』

 ウラジーミル・マラー ホフは、ボリショイ・バレエ学校時代に初来日して、早くも日本のファンの 目にとまった。バランスのとれたプロポーションに、甘いマスク。さらにス リムで柔軟で高く舞っても着地では猫のように無音。人気が集中するすべての 要素を備えたバレエダンサーだった。
  マラーホフは1968年ウクライナに生れた。86年には、ヴァルナ国際バレエ ・コンクールでジュニア部門のグランプリを獲得し、モスクワ国際コンクール では金メダルを授与されている。2年後の88年には、全ソ連コンクールで第1位 にもなっている。
  しかしロシアでは、何故かボリショイ・バレエに入団が叶わなかった。モス クワ・クラシック・バレエに入団し、イルギス・ガリムーリンたちとしばしば 来日し、日本での人気はうなぎのぼりだった。
  やがて、マラーホフはヨーロッパへと活動の場を移した。最近では「マラ ーホフの贈り物」というガラ公演を毎年のように催して座長を務め、たいへん な人気だし、2002年9月には、ベルリン国立歌劇場バレエの芸術監督に就任した 。また、2002年12月には第2回にニジンスキー賞男性ダンサー賞を受賞している。
  この『ナルシス~マラーホフの肖像』は、当時まだ24歳だったマラーホフが ウィーン国立劇場バレエ団に第一ソリストとして移籍した時に撮影された、ドキュメンタリーである。
  ナイーブなちょっと緊張しているマラーホフのインタビューを受ける様子が、 とても初々しい。
  『薔薇の精』や『レ・シルフィード』の舞台、フォーサイスの『ラヴ・ソング ス』、『ラ・バヤデール』のリハーサル、さらに伝説的なロシア・ダンサー、ニ ジンスキーのために振付けられた『ナルシス』を踊る舞台も収められている。

 

DVD 4,700円(税抜)
Pioneer PIBC1074